元女子プロレスラーの〝女帝〟ブル中野(56)が、米「WWE」の2024年名誉殿堂「ホール・オブ・フェイム」入りした。先駆者として1990年代に一時代を築いた世界最高峰のリングでは、WWE女子王者イヨ・スカイ、WWE女子タッグ王者のカブキ・ウォリアーズ(アスカ&カイリ・セイン)が活躍。スターダム退団が確実なジュリアにも、WWEが興味を示しているとされる。日本人女子初の快挙を果たした女帝は、後輩たちの躍進に何を思うのか。本紙に激白した。

 ――日本人女子初のWWE殿堂入りだ

 ブル中野(以下ブル)1月16日に「殿堂入りが決まりましたが、受賞の意思はありますか?」と聞かれ「もちろんあります!」ってうれしくて泣いてしまって…。発表まではトップシークレットと言われ、誰にも会わないようにしようと思いましたよ(笑い)。

 ――4月5日(日本時間6日)の殿堂入り式典(ペンシルベニア州フィラデルフィア)に参加する

 ブル 今は受賞スピーチのことで頭がいっぱい。しっかり覚えて、何があっても飛ばないようにした状態じゃないと、あっちに行った時に楽しめないと思うんですよ。全てをWWEのことに集中しようと思っています。

 ――後輩たちに米国マットへの道を切り開いた

 ブル 当時、私が全日本女子プロレスの「25歳定年制」をなくしたんですよ。老いていくところ、後輩に抜かされていくのを全て見せるのがブル中野だろうなって。ただ、ずっと全女に居座ってはいけないなと思っていた。そのとき、たまたまWWF(現WWE)から声がかかって。アメリカとの懸け橋をつくって、これから先、みんなが世界に行けるようにするのがブル中野の人生になるなって思っていました。

東京ドームでWWF(現WWE)世界女子選手権試合を行ったブル中野(1994年)
東京ドームでWWF(現WWE)世界女子選手権試合を行ったブル中野(1994年)

 ――WWE女子王者に君臨するイヨへの期待は

 ブル シングルでWWEのメインを張るのが一番似合っている。シングルのチャンピオンとして定着してほしいなと思います。負けることがあっても、また取り返すことができる選手になってほしい。内容的に勝っているというのを続けていくことで真のチャンピオンになっていくので。アジアの人は幼く見えるから、まだ10年以上はいけるんじゃないですか。

 ――米メディアでWWEがジュリアに興味を示していると報じられた

 ブル 絶対に行ったほうがいい。全然、世界が広がりますよ。同じプロレスでも違うプロレスがあるんだというのを見たほうが、レスラーとして幅も広がると思うので。WWEが日本での活躍を見てほしいと思っているなら、いい形で生かしてくれるんじゃないかな。

 ――成功するか

 ブル (2019年10月に)スターダムに来てあいさつしたときのボテっとしたイメージから、誰が今のジュリアを想像しただろうってくらい体も鍛えて、精神的にもすごく強い子。カメレオンみたいにいろいろな場面で自分を変えて対処して上に進んでいるのがわかる。だから、向こうでも対応できますよ。行くとなったら、どれだけ成長するのか怖いですね。

 ――後輩たちの活躍は

 ブル 誇らしいです。今は(イヨ、アスカ、カイリの)3人で頑張ろうみたいな感じかもしれないけど、日本人女子がドンドン増えて、自分の立ち位置が危うくなる場面も出てくるほうが面白い。日本人選手同士の戦いがメインになったら最高。「WWE乗っ取ったぞ、日本!」みたいな。

 ――男子でも新日本プロレスを退団したオカダ・カズチカが米AEWと契約。「3年総額20億円」と言われる

 ブル WWEかと思っていたからビックリしました。私も全女からWWFに行ったとき、何じゃこれはってくらいギャラが高くて、他の選手たちも1試合1億円とかでやっていた。当時の日本人の考えだとお金の話をするって汚いことだと思っていたけど、たくさん稼いだ人がすごいと思えた。その人の価値なので。アメリカだったりの方が選手のギャラも高いので、みんなそっちを目指すようになるんじゃないですか。自分を高く評価してくれる会社があるなら、チャンスを逃さないでほしいですね。

 ――祭典「レッスルマニア40」(4月6、7日、フィラデルフィア)では王者イヨとベイリーのWWE女子王座戦がある

 ブル 私も見られるのかな。みんなに会えるのはうれしいですね。みんな輝いているんだろうな。

☆ブル・なかの 本名・青木恵子。1968年1月8日生まれ。埼玉・川口市出身。83年9月23日の全日本女子プロレス埼玉・戸田大会でデビュー。ダンプ松本との極悪同盟で活躍し、94年には日本人で初めてWWF世界女子王座を獲得した。97年にケガで引退。2010年にキックボクサーの青木大輔と結婚した。現役時は170センチ、100キロ。