初優勝へ好発進だ。新日本プロレス10日の尼崎大会で行われた「NEW JAPAN CUP(NJC)」1回戦で、辻陽太(30)がジェフ・コブ(41)を撃破。2回戦(15日、堺)に駒を進めた絶好調男は、今トーナメントで「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」の同門・鷹木信悟(41)と前IWGP世界ヘビー級王者SANADA(36)との対戦を熱望する。その理由とは――。

 コブの怪物じみたパワーに劣勢を強いられた辻だったが、ダイビングフットスタンプで形勢逆転に成功。70CROSS(変型ボム)からジーンブラスター(スピアー)を炸裂させて3カウントを奪うと「俺こそが世代交代の中心だ」とNJC初制覇を誓った。

 これまで世代交代という言葉には興味を示してこなかった。しかし、オカダ・カズチカやウィル・オスプレイといったトップ選手の相次ぐ退団により、団体が転換期を迎えているのは揺るぎない事実だ。辻は「結果としてファンから見ると俺も世代交代の一部になっているわけで、それが達成できていないのは俺自身の責任だなと。新世代を代表して、俺が今回負けてはいけないという責任感はありますね」と自らに義務づけた。

 トーナメント優勝者は4月6日の東京・両国国技館大会でIWGP世界王者・内藤哲也に挑戦する。内藤はLIJの同門王座戦の実現を熱望しており、辻も「自分もそのつもりでしかいないです。優勝以外の結果はあり得ないくらいの気持ちでいます」と呼応する。

 その前に、今大会でやるべきことがある。ターゲットに挙げるのは2人の男だ。「やっぱり同じ山にいる中では鷹木さんですね。LIJの中でのヒエラルキーも変えたいですし」と、互いに勝ち進めば準決勝(18日、郡山)で激突する盟友に対戦を呼びかける。

 そして決勝戦(20日、長岡)の相手にはSANADAを指名。「(デビッド)フィンレーも気になるけど、やっぱりIWGPを取っているという点でSANADAですかね。歴代最長保持記録も持ってますし(昨年6月の)大阪城でも負けてるんで」とリベンジマッチを見据えた。

 元IWGP世界王者との対戦を望むのには理由がある。昨年は飯伏幸太とジェイ・ホワイト、今年はオカダとオスプレイが退団したことで、現在の新日本には同王座の歴代王者は鷹木、SANADA、そして内藤しか残っていない。

「鷹木さんを倒してSANADAを倒して、内藤さんも倒す。これは俺が凱旋帰国してからやるべきだったことを全て完結できる、完璧なストーリーかなと思いますね」。短期間で一気に3人を倒すことができれば、新時代到来を強烈に印象づけられるというわけだ。

 もちろん、まずは自身の勝ち上がりが最優先事項。数々のニューヒーローを生み出してきたNJCで、辻が頂点をつかみ取る。