早く忘れた方がいい――。巨人は8日のオリックスとのオープン戦(京セラ)に0―3で零封負け。本番はあくまでもシーズン開幕後だが、開幕投手に決まっているエース・戸郷翔征投手(23)が4回途中3失点の乱調となるなど不安も残した。そんな中、2年連続のBクラスから4年ぶりのV奪回を目指すチーム内から〝戒め〟の声も飛び出している。

 プロ6年目で初めて開幕投手を務める戸郷は6安打を許し、4四球を与えて降板。指揮官就任1年目で大役を預けた阿部慎之助監督(44)は「信頼は揺るがないから、次に生かしてくれればいい」と気に留めるそぶりすら見せなかったが、この日の打線は散発3安打で得点もできなかった。

 もちろんオープン戦は開幕に向けた調整の意味合いもある。早めに課題が出ることに越したことはないが、一方ではチーム内からこんな声も上がっている。

「若手が台湾でスターのように扱われて、浮足立っているように見える。日本に戻れば3年連続でV逸しているチーム。もう一度、認識した方がいい」(古参のスタッフ)

 2、3日の台湾遠征でチームは現地で〝国賓級〟の歓迎を受けた。地元メディアからは熱烈な取材攻勢を受け、親善試合の2試合で約7万人の観客を動員。人気のチアガールたちが試合を華やかに盛り上げ、宿泊先のホテルから一歩でも外に出れば若手であってもすぐさま人だかりができるような「夢の空間」となっていた。

 そんな異常な環境を昨春のWBCに出場した戸郷もこう振り返っていた。「WBCのあの歓声に似ているような、それくらい大きかった。国際大会をしてるんじゃないかってくらい。日本では聞けない音楽やチアのダンスは、自分が投げてる時は僕を応援してくれてるんだというくらいに思って投げていた」。

 だが、この日の試合は平日のデーゲーム開催とあって1万8493人(主催者発表)。外野席の一部は開放されず、3年連続でパ・リーグを制したオリックス側の応援ばかり目立った。

 そうした中でもインパクトを残したのは「台湾組」ではなく二軍から参加した6年目左腕の横川だった。1回1/3を無失点で抑え「結果を残してアピールするしかない」と必死の表情。阿部監督も「すごくいい投げっぷりをしてたし、気持ちもよく見えていた」とたたえた。

 ヤングGたちも生き残りをかけて必死にプレーを続けていることも確かだが、さらなるガムシャラさが求められるのかもしれない。