盟友も太鼓判だ。卓球女子の伊藤美誠(23=スターツ)が3日、自身初の冠大会「第1回伊藤美誠杯 卓球ワールドチャレンジ in NAGANO」(長野・ことぶきアリーナ千曲)で、表彰式のプレゼンターなどを務めた。今夏のパリ五輪切符は逃すも、コート内外で精力的に活動。金メダルに輝いた東京五輪の混合ダブルスでペアを組んだ水谷隼氏(34)も、伊藤の完全復活へ期待を寄せている。

 伊藤が卓球界のさらなる発展を目指し、新たなプロジェクトをスタートさせた。「幼いころから大会を通して成長してきた。日本の将来につなげていけたら」との思いから、自らが主体となって大会の開催に尽力。次世代を担う子供たちのプレーを目の当たりし「子供たちのパワーを借りて、私自身も頑張れるなと。頑張れる源になった」と刺激を受けた様子だった。

 前回の東京五輪で「金・銀・銅」のコンプリートを達成したものの、パリ五輪代表からは落選。代表選考レースの最終戦となった1月末の全日本選手権で6回戦敗退後には大粒の涙を流した。それでも「世界ランキング1位」を目指して再スタート。2月の世界選手権団体戦(韓国・釜山)では2試合の出場にとどまったが、ベンチで各選手に的確な助言を送る場面が話題になるなど、表情に明るさが戻ってきた。

 伊藤と同じ静岡・磐田市出身で、かねて親交の深い水谷氏は「パリ五輪に出場できなかったことは悔しかったと思うし、今回の世界卓球もほとんど起用されなかったことも悔しかったと思うが、自分ができる、チームにとってプラスになるようなことをやれていたんじゃないかな」と分析。

 世界選手権の期間中などに会話をする中で「本当に元気になったなと思う。まだまだ卓球で早田ひな選手(日本生命)や張本美和選手(木下グループ)などには負けられないという気迫が感じられた」と振り返った。

 1991年以降の世界ランキング制度で日本人は1位に立ったことがない。それでも、水谷氏は「たぶん4年後の五輪は特に意識していなくて、とにかく『世界ランキング1位』を強く意識しているみたい。目標に向かって今、進み出してるところだなと思う」と指摘。盟友の強い決意を感じ取っている。

 今後の伊藤は3月7日開幕のWTTシンガポール・スマッシュに出場予定だ。「みんなに力をすごくいただいたので、私自身もまたみんなにパワーを送れるように頑張っていきたい」ときっぱり。子供たちに負けじと、伊藤も自らの夢を追いかけていく。