阪神・岡田彰布監督(66)が激化する〝外野定位置争奪戦〟をあおりにあおった。20日のサムスン戦(宜野座)に8番・左翼でスタメン出場し、決勝2ランを放った前川右京外野手(20)に関して指揮官は「レフトの人(ノイジー)もね、うかうかできないかも分からないですよ」とニンマリ顔だ。

 現状では中堅・近本はレギュラー当確だが左右の両翼は未確定。昨季終盤は右翼・森下、左翼・ノイジーのケースが多かったが、今季は若手の有望株がひしめき合っている。

 森下に加え前川、井上、野口、育成2位の福島も割って入るかという状況で、助っ人のノイジーですらポジション安泰ではない。

 現在、打撃好調の前川への評価が急上昇中。岡田監督は「ノイジーも次のクールくらいからバッティングできるくらいやからな。うかうかしてられんで。オープン戦にこれからなるけど(前川を)どんどん使っていってな。今の状態見たら、使ったら打つと思うよはっきり言って」と最大限にチャンスを与えるつもりだ。

 岡田監督が前川を絶賛するのは、単に結果に対しての評価だけではない。あえて調整の遅れているノイジーを「レフトの人」と表現するなど、ライバルとの競争心をあおる心掌握術だ。褒められた選手はより発奮し、やり玉に挙がった選手は気を引き締める。

 ライバルがいいプレーを見せれば「俺も俺も」となるもの。その競争こそがチーム力の底上げにつながる。昨季、38年ぶりの日本一になったことは勲章だが過去の話。戦力をキープするのではなく、さらに強靭化するための手法を指揮官は熟知している。

「順調にいいアピールしている。あとはケガですね。それがなければ当然、一軍の戦力としてやっていける」。岡田監督の前川への絶賛は止まらない。このコメントを見て、ライバルたちがどう思うのか。次クールから始まるオープン戦からも目が離せない。