【赤ペン! 赤坂英一】新井カープのキャンプで、伝統的猛練習の「投げ込み」が復活している。火をつけたのは黒田博樹球団アドバイザー、平成の怪物・松坂大輔氏による“熱血指導”だった。
キャンプ序盤、2年目の斉藤優汰、日高暖己に対し、松坂氏が「僕はクタクタになるまで体を追い込んでマウンドに上がった」と言えば、黒田氏も「投げ込みで投げ方を覚えるんだよ」と強調。そうした教えを受けた斉藤は、高校時代を含めても経験のなかった140球の投げ込みを敢行。こう手応えを語った。
「最初はコントロールが定まってなかったけど、後半にはある程度まとまってきました。投げてるうちに疲れて、自然と下(下半身)が使えるようになってきた感じ。これからも投げ込んで(投げ方を)覚えていきたい」
この意欲的な姿勢に、新井監督も目を細めた。
「斉藤は高卒2年目で、じっくりしっかり体をつくっていく過程にある。シーズンに入って、100球投げたらいきなりガクンと落ちた、とならないようにね。体に染み込ませる、覚え込ませる反復練習は必要ですよ」
黒田氏以前のエース、大野豊氏や佐々岡真司氏も「100球、200球は当たり前」という超投げ込み派。「そこから先が本当のピッチングになる」というのだ。
もっとも、投げ込みに対する考え方は投手陣でも人それぞれ。昨季11勝の勝ち頭・床田寛樹はキャンプ期間中も一日の練習でも球数は決めていないという。
「それ(球数)は段階を上げていきながらです。最初はある程度投げられればいいので、例えば今日は30球ぐらい。沖縄に行ってもう少し(調子が)上がったら、一回ガッと投げる日をつくろうかな。それが100球ちょっとですかね」
ちなみに「投げ込みにいいことは一つもない」と言い切っていたのは、黒田氏からエースの座を受け継いだ前田健太(現タイガース)。
「コントロールも投げ方もすでに自分の中にある。練習で投げ込んで肩、ヒジを消耗したらシーズンに入って困るから」
これについて大野氏は「実際にはマエケンと違ってしっかりと投げ方が身についていない若手のほうが多い。そういう投手には投げ込みが必要だと思う」と反論していたものである。
なお、投げ込みを奨励する新井監督は「肩、ヒジを痛めるまでやみくもに投げ込めとは言いません」と注釈をつけている。今年、この方針で何人の若手投手が育ってくるか。












