〝プロ中のプロ〟の思考回路は、ひと味もふた味も違うようだ。ソフトバンクの近藤健介外野手(30)は今季FA移籍2年目を迎える。
日本ハムから加入した昨季は本塁打と打点の2冠に輝き、7年総額45億円(推定)の超大型契約にふさわしい貫禄を示した。宮崎春季キャンプの2日、近藤は西武からFA加入した山川穂高内野手(32)と打撃練習中に積極的に意見交換。昨春WBCでは、ともに日本代表として世界一をつかみ取った。「何年も前からずっと仲良くさせてもらっている」(山川)という間柄で、同じ移籍組ゆえに共鳴する部分も多い。
近藤が鷹を選んだのは、破格の出来高制を含む好条件も魅力的だったが、12球団随一の刺激を求めたことも大きな理由だった。「もちろん、そうです。ドンドンいい選手が入ってくる。自分が結果を出さないと、立ち位置がなくなることも分かっている。そこはライバル」。
ホークスはFA戦士にも厳しい姿勢で臨む球団。三顧の礼で迎える大物にも、レギュラー保証だけは与えない。「安定を求める選手にとっては、ドライな部分が敬遠される」と球界内でささやかれる理由だ。功労者、実績組への戦力外も年々シビアになっている。だが、向上心の強い選手にとって激しい新陳代謝、競争は望むところ。まさに、近藤が欲する環境だ。
チーム内で「野球サイボーグ」とも呼ばれる近藤。探求心、練習量、実行能力など「プロ中のプロ」と評される。常に「新しいことを試す」スタイルで、選手同士の食事の席でもヒントを求めて、ひたすら野球の話に没頭しているという。
それだけに本塁打王3度、通算218発を誇る山川の加入は、近藤の向上心、闘志をくすぐる。「話を聞いていいところを自分のモノにしていきたい」としつつ「隙を見せずやることが大事。それがレギュラーとして143試合出るために必要」と、チーム内に起きるであろう地殻変動を発奮材料とするつもりだ。
さらに中堅、若手への叱咤激励も忘れなかった。「(山川は)本当によく練習する。(キャンプは)今年から自主練習も多くなり、自分で考えて練習することで差がつく」。
実績ある大砲に臆するのか、立ち向かうのか。軟式野球出身で一般入試で入った名門・横浜高で1年生にしてレギュラーをつかみ、一流まで駆け上がった叩き上げが語る「FAの価値」。山川補強を俯瞰し、大いに刺激を受けている。













