業界盟主の行く末は――。新日本プロレス社長の棚橋弘至(47)が、オカダ・カズチカ(36)の退団で揺れる団体の未来を激白した。長年にわたり新日本のトップに君臨してきたオカダは、1月末で退団することが19日に正式発表された。今後は米マット進出が確実視されている。社長、そして仲間としてエールを送った棚橋は、退団者続出による不安を一掃するかのように団体史をひもときつつ、新時代の到来を約束した。
新日本から1月末での退団が発表されたオカダは「メキシコから19歳で来たどうしようもない岡田かずちかを『レインメーカー』オカダ・カズチカに育ててくれた事に感謝しかありません。新日本プロレスという最高の団体、戦ってきた最高の選手、応援やブーイングをしてくれた最高のファンの皆さん、本当にありがとうございました。残りの試合もカネの雨を降らせますのでよろしくお願いします」と団体を通じてコメントを出した。
退団後の2月はフリーとして3大会に出場。これを受けて次期シリーズ(20日、名古屋で開幕)のカードが一部変更され、2月11日大阪大会では棚橋とのシングルマッチが緊急決定した。
オカダは米国マット進出が確実で、移籍先はWWEかAEWが有力視されている。日本プロレス界のエースの退団はプロレス界に大きな衝撃を与えたが、取材に応じた棚橋は本人の決断を尊重。「これまで12年、新日本に貢献し続けたという意味では感謝しかないですね。個人的な思いを言えば、新世代(海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也)との対戦は、もうひと通り見たかったんですけど…。ただオカダの気持ちになれば、新日本でやり尽くしたかなってところもわかるので。世界に大きく羽ばたいてほしいと思います」とエールを送った。
2016年に退団し、海を渡った中邑真輔が現在WWEで活躍していることもあり「新日本でトップを張ったというものを持って海外に行くんだったら、しっかりオカダ・カズチカを見せてきてほしいなと思いますね。中邑の時と同じ感覚です。誇らしいですね」と期待を寄せた。
一方で昨年末に就任したばかりの新社長にとっては、いきなり大黒柱を失う試練の船出となる。しかもウィル・オスプレイは2月からAEWに主戦場を移し、タマ・トンガも今月末での退団を宣言している。昨年の飯伏幸太、ジェイ・ホワイトも含めれば、新日本は主力選手の離脱が相次いでいる。
しかし、棚橋は「試練とは全然思ってないですね。しっかり受け止めて、次に進んでいきます」と、どこまでもポジティブだ。「プロレス団体って割とそうなんですよ。僕たちには免疫がありますから。どんどん新日本は若い選手が育ってきていますので、新しい新日本に期待してほしいと思います」と言い切った。
実際に約52年の団体史を振り返れば、新日本はこれまでも新陳代謝で窮地を乗り越えてきた。1984年の大量離脱後には闘魂三銃士(武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也)が台頭。2016年に中邑やAJスタイルズらが退団した直後には、内藤哲也とケニー・オメガが大ブレークした。
オカダの退団は同時に、新時代幕開けの号砲でもある。棚橋は「これから面白くなると思いますよ。今は人材が豊富ですし、道場にも若い選手がいっぱいいます。雨がやんだら、虹がかかりますから」。カネの雨が降らなくなる新日本の未来を、明るく照らすのは誰になるのか。












