中日が巨人を自由契約となった中田翔内野手(34)を獲得することが3日に決まった。立浪和義監督(54)が直接交渉を行い、打点王3度の強打者を口説き落とした。近年、大型補強に消極的だった中日が中田獲得に2年6億円プラス出来高払いの大型契約を用意したことで、名古屋では改めてミスタードラゴンズの「執念の剛腕」がクローズアップされ始めている。本紙評論家で立浪監督と同じPL学園OBの得津高宏氏は中田加入で中日Aクラス浮上の可能性が高まったと分析し、太鼓判を押した。

「ウチを選んでくれたのは本当に喜ばしいこと。しっかり準備してやってくれればチームの力になってくれる選手だと思う」。3日に愛知県豊田市内で行われたトークショーに出演した立浪監督は、この日の午前中に中田本人から中日入りの意向が伝えられたことに安堵の表情を浮かべた。

 ミスタードラゴンズの執念が結実した中田獲得だった。立浪監督は11月の秋季キャンプ中から中田の実力を高く評価する発言を口にし、交渉解禁直後の2日には都内で球団首脳とともに直接交渉。しかも球団サイドには2年6億円プラス出来高払いの大型契約を用意させることに成功した。

「勝負強い中田に対する立浪監督の評価はすごく高い。監督の意向もそうだし、チームとしても打線を何とか強化しなければいけないというところがあった。これだけの案件だから球団としても当然、本社サイドとも相談している」(球団関係者)と指揮官の熱意が球団を動かした。

 中日が日本人選手の大型補強を行ったのは落合政権下の2007年オフに和田一浩(現打撃コーチ)をFAで獲得(推定年俸2億8000万円プラス出来高払いの3年契約)して以来、実に16年ぶりとなる。落合政権下で2010、11年とリーグ連覇を果たし、12年以降の高木、谷繁、森、与田政権時には、これだけの大物クラスを補強することはなかった。

 それだけに中日OBの間からは「星野さんや落合さんのころとは球団の(経済的)事情も違うのによくやったよ。立浪監督だからできたこと。さすがだね」「これで選手にも監督や球団のやる気が伝わる」とミスタードラゴンズへの賛辞が続出。PL学園出身の立浪監督にとっては「先輩OB」の本紙評論家・得津氏も「立浪監督が頑丈な金庫をこじ開けましたね。球団、本社が立浪監督の情熱に折れたんでしょうね」と指揮官の本気度が中田獲得につながったとみている。

 今季の中日は本塁打(71)、得点(390)とも12球団ワースト。極度の貧打がチーム低迷の元凶となった。しかし、シーズン100打点を5回記録している中田が加入したことで得津氏は「中日の戦力は大幅にアップした。中田に加えてもう1人、外国人選手でいい打者が取れれば飛車・角がそろう」と積極補強を高く評価。「来季も優勝候補筆頭は阪神だと思うが中田獲得で中日は十分Aクラスは狙える。ジャイアンツよりも上になる可能性はある」と分析している。

 立浪監督は「この2年間、ずっと低迷しているチームを変えないといけないと若い選手をどんどん使いながらやってきたが、やはり結果が出ないといろんなことを言われたり、関係ないことまで面白おかしく書かれたりする」と指摘したが、球団史上初の2年連続最下位に沈んだことでドラゴンズへの報道は過熱。中には事実と異なることが報じられたこともあったが指揮官はじっと耐えてきた。

「やってきていることは間違っていないと思っている。今年は負け過ぎたので反省も踏まえて。若い選手にもっと伸びてきてもらいたい。チームのバランスも考えながら補強面も含めて戦力も整えていかないと勝てない。後は自分がうまく機能させられるようにしっかり考えてやっていきたい」。中田獲得を進軍ラッパにミスタードラゴンズの大逆襲が始まった。

(金額は推定)