ソフトバンクは2日、新任コーチの就任会見を福岡市内で行った。小笠原孝二軍投手チーフコーチ(47)、奥村政稔四軍ファーム投手コーチ補佐(31)、釜元豪四軍外野守備走塁コーチ(30)、中谷将大リハビリ担当コーチ(30)が出席。中日一筋で現役引退後10年間コーチを務め、今季はチーム戦略グループスコアラーを歴任した小笠原コーチは「今年一年の取り組みがすごく大きい。そこはドラゴンズに感謝している。立派な分析班がいるのは知っているので、コミュニケーションを取ってやっていきたい」と抱負を語った。

 来季に向けた組閣が固まり、会見に同席した三笠杉彦GMはその狙いについて語った。「全体的な狙いとしては、アメリカのメジャーリーグのマイナー組織を参考にしながらコーディネーター制の強化というのが来季に向けたテーマ。今年から始めた四軍制をより機能的に、強化に適した組織にするため。ファーム中心に一軍から四軍まで各ポジションの指導方針を共通化したり。二、三、四軍の選手の状況、成長度を確認しながら、諸々でどういう配置でプレーするのが適切かとか。そのようなことをより機能的にやっていくのが狙いです」。

 フロントは指導方針の統一化を目指す上でコーディネーター制を充実させ、その周辺環境の整備に尽力。球団が進めるコーディネーター制に理解があり、データサイエンスに精通した小笠原コーチの招へいには明確な意図がにじんだ。来季からは長谷川勇也前一軍打撃コーチが動作解析などを担う「R&D」担当に転身。倉野信次一軍投手チーフコーチ兼投手ヘッドコーディネーターが、米国コーチ留学を経て3年ぶりに現場復帰した。球団の肝いり分野でデータの還元、とりわけ選手への〝通訳者〟としての期待がうかがえる人事で、球団の組織づくりが新たなステージに移行した形だ。

 メジャーのマイナー組織を参考に、かつてNPBでは見られなかった組織改編を進めるソフトバンク。「今の時代、一軍の固定したメンバーが年間通して戦う時代ではない。中長期的に考えて、どんど世代交代していって若い選手が伸びていく環境もつくっていかないといけない」(三笠GM)。実験的な取り組みを経ながら、強靭なマニュアルを構築するチャレンジが今後も続いていく。