鷹に古きよき〝竜魂〟を――。ソフトバンクの又吉克樹投手(33)が28日に福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1億5000万円でサインした。今季はFA加入した際に結んだ4年契約の2年目。シーズン序盤に不調で二軍降格するなど32試合の登板にとどまり、2勝2敗、10ホールド、防御率2・25だった。

 移籍1年目はケガで長期離脱。来季へ、勝ちパターンにこだわらず「器用貧乏でもいい」と真骨頂の〝便利屋〟として、中継ぎ最年長の右腕はフル回転を誓った。

 この日は球団と意見交換する中である要望を伝えていた。「二軍ロッカーの整理整頓ができていないので、スーツケースを置く場所をつくってもらえませんか。若い子が片づけをする習慣をつけさせてあげたいので」。まずは個人スペースを拡大した上で、整理整頓の意識づけを促す前段を整えるためだった。会見での口調は終始「許されているところがある。普通の会社でやったら相当怒られること」と厳しかった。

「(中日時代は)岩瀬さん、山井さん、朝倉さん、吉見さんたちがあいさつから厳しかった。口うるさく言ってもらって本当によかったと感謝している。得したことが多々あったから」。集団生活の中で共有スペースの使い方を意識することを刷り込まれた。「勝負の神様は細部に宿る」を実感しているからこその踏襲だ。「先輩たちに言われたんです。『若い子に返すんだぞ』って。離れていく分は仕方ないけど、言い続けたい。いいものをもらったので」

 2年前の移籍締結の際、フロント首脳に「こっちは違うと思っても、あっちでいいと思ったことはどんどん伝えてほしい」と求められた。「口うるさい先輩にならないといけない。少しずつ還元したい」。野球人として竜で受けた恩を忘れることなく還元していく。