今秋ドラフト会議でソフトバンクから1位指名を受けた前田悠伍投手(18=大阪桐蔭)が29日に大阪市内で仮契約を結んだ。契約金は1億円で年俸1000万円。「ソフトバンクのエースと言われる投手になりたい」と力強く宣言し「そのためには私生活の言動だったり、野球以外のこともしっかりしたい」と決意を語った。

 高校球界の超名門・大阪桐蔭で1年秋から主戦を担った逸材。9月に日本が悲願の初優勝を飾った「U18W杯」では絶対エースとして君臨した。米国、韓国、台湾の強豪3か国を相手に圧倒的投球を披露。16回2/3を投げて1失点と世界一の原動力となった。ホークスはこの大会期間中に全スカウトを派遣。18歳左腕に「超高校級」の評価を下していた。

 1年目からの一軍デビューも期待される逸材が目指すのは「鷹の絶対エース」。そんな前田がとりわけ意識するのは「人間力」だ。ただ、勝てばいいわけではない。たとえ勝てなかったとしても〝前田で負けたら仕方ない〟と思わせる存在にならなければならない。ただ、野球がうまいだけでは周囲には認められない。「人間力」の見本とする選手に前田は「和田(毅)さん」と即答した。そんな左腕を追いかけてきた担当の稲嶺誉スカウト(43)はこう語る。

「能力はもちろんですが、それ以外のところが高校生離れしている。僕、和田と同級生なんですが、彼(前田)との面談の時に『和田がいる』って思ったんです。言動がどうとか、振る舞いがどうとか、具体的に僕が言うよりも和田をイメージしてください。和田の受け答え、振る舞い。18歳の彼はすでにそれができていた。本当に和田とかぶった。担当としては推すしかないですよね」

 目の前に〝18歳の和田〟が現れた衝撃。縁を感じずにはいられなかったのも無理はない。生い立ちや実績、心構え…。どれも申し分ない若武者に「ホンモノ」の香りが漂っている。(金額は推定)