中日の応援番組「サンデードラゴンズ(以下サンドラ)」(CBC、毎週日曜午後0時54分~)が今年10月で40周年を迎えた。プロ野球チームの応援番組としては異例の長寿となっている同番組には中日ファンだけでなく球団関係者や現役選手からも熱い支持が集まっている。サンドラが長年にわたって愛されている理由とは――。
サンドラは1983年10月2日に放送開始。プロ野球人気絶頂で名古屋地区での中日戦視聴率が20%を超えるのが当たり前だった1990年代には「ドラゴンズHOTスタジオ」(東海テレビ)、「ドラゴンズ倶楽部」(名古屋テレビ)、「行け!行け‼ドラゴンズ」(中京テレビ)、「どらぐら」(テレビ愛知)と名古屋の民放全局が中日応援番組を放送していたが、現在も続いているのは「ドラゴンズHOTスタジオ」の後継番組「ドラHOT+」とサンドラだけだ。
サンドラは老舗の中日応援番組として40年にわたり存在感を発揮してきた。92年に公開されたトム・セレック主演のハリウッド映画「ミスターベースボール」(元メジャーリーガーが中日ドラゴンズに入団してチームを優勝に導くというストーリー。中日の監督を高倉健が演じた)にはこの番組がそのまま登場し、MCの久野誠アナウンサーも映画に出演している。この映画がきっかけで、番組内で高倉健のインタビューが放送されたこともあった。
星野仙一監督は第2次政権時(96年~01年)にサンドラのスーパーバイザーとして現役監督でありながらオフシーズンにたびたび出演。同じくスーパーバイザーであった田淵幸一氏と番組内で歯に衣着せぬ発言を連発して大きな話題を呼んだ。「星野さんと田淵さんの話がおもしろ過ぎるからサンドラには勝てない」。他局の中日番組プロデューサーからはそんな声もあがったほどだった。
06年からは若狭敬一アナウンサーがMCを担当。13年から17年まで5年連続で若狭アナがドラフト当日、取材に出向いた1位指名候補選手が中日入団とならなかったことから18年以降、若狭アナが名古屋市内にある倶利加羅不動寺でドラフト成功祈願の滝行を行うことが恒例行事となっている。20年3月には中日V祈念のため落差40メートル超ある三重県の大日滝で水温5度の雪解け水で滝行を行うなど体を張って番組を盛り上げてきた。
若狭アナといえば落合監督時代にみせた熱いドラゴンズ愛も注目を集めた。11年7月終了時点で首位・ヤクルトに9ゲーム差をつけられ中日Vは絶望ムード。OBの木俣達彦氏は「今年のドラゴンズの優勝はないでしょう」と番組内で発言したが、若狭アナはドラゴンズVを信じ、優勝すると言い続けた。落合監督はこの年の9月22日にシーズン終了後の退任(事実上の解任)が発表されたが、中日はそこから怒とうの反撃を開始し、球団史上初の連覇を達成。ビールかけを中継した若狭アナに落合監督は「若狭、お前だけだな。うちが優勝するって言い続けたのは。お前、えらい!」と声を掛け、2人は熱い抱擁を交わしている。
「ドラゴンズが優勝してビールかけの中継で落合監督と抱き合うことができたのは僕のアナウンサー人生の中でのクライマックス。一番やっていて良かったという瞬間でした。ただ先日、落合さんのインタビューをしたんですが、ビールかけのことは全く覚えてないと言ってました(笑い)。でもそれは落合さんの照れ隠しだと信じています」という若狭アナだが中日はこの年以降、優勝から遠ざかっている。それだけに「滝行でぬれていることも多いんですが、次はうれし涙でずぶぬれになりたいです。11年を超える瞬間を放送したいですね」と若狭アナは立浪竜の優勝を熱望している。
同番組の加藤健史プロデューサーは「ドラゴンズは個性的な選手がたくさんいて、地域に密着した魅力のあるチームです。番組を制作する上で意識しているのは〝楽しく伝えること〟そして〝選手の人柄を好きになってもらうこと〟。これからもドラゴンズの魅力を多くの人たちに知ってもらえるようにしていきたい」と語っているが、こうした番組作りが多くの視聴者の共感を呼んでいるのだろう。「サンドラはドラゴンズに一番近い番組だと思います。選手もロッカーでよく見ています。ドラゴンズの歴史に欠かせない番組ですし、これからもずっと続いてほしいですね」。選手会長の柳もエールを送るサンドラはドラゴンズとファンをつなぐ役割を果たしている。












