エンゼルスからFAとなり、去就が注目されている大谷翔平投手(29)のドジャース入りはあるのだろうか。
ここまで多くの米メディアが「本命」に挙げているナ・リーグ西地区の名門球団・ドジャース。アンドリュー・フリードマン編成本部長は地元メディアに「FAになる選手が勝つことを望んでいるなら、振り返って先を見据えることができると思う。われわれはどのチームよりも最高のポジションにいると主張したい。私たちが証明したこと、現在の主力選手の位置、ファームシステムの強さ、財政的な柔軟性、そして今後5年間から7年間を見渡せば、非常に説得力のある議論ができると思う」とコメント。豊富な資金力と同じ南カリフォルニアという地理的条件を含め、大谷獲得へ〝ポールポジション〟にいることを大々的にアピールしている。
大谷との関係性では2010年の花巻東高1年時から担当スカウトを張り付かせ、12年のNPBドラフトで日本ハムの強行指名がなければ入団は確実とみられていた。
しかし、そこで粘り強いフロントの交渉と栗山英樹監督との出会い、何より日本ハムから提案された「二刀流」という未知の挑戦に大谷は心を動かされ、99%決まっていたドジャース入りは白紙となってしまった。
その後もドジャースは大谷を追い続け、17年の日本ハム最終年8月には「59イニング連続無失点」のメジャー記録を持つ球団レジェンド、オーレル・ハーシュハイザー氏(当時解説者)を含む総勢8人の大視察団を札幌ドームに送り込むなど、大谷獲得に対する熱量は間違いなくMLB30球団の中で突出していた。
だが、大谷のエンゼルス入りでドジャース側の片思いは募るばかり。そして、この時の面談でドジャースと大谷の間にある〝しこり〟が生まれてしまったという逸話が今も一部MLB関係者の間で語り継がれている。
この年、ポスティングシステムでメジャー球団と交渉に当たっていた大谷はロサンゼルスで行われた2次選考でドジャース、ジャイアンツ、エンゼルス、カブス、マリナーズ、レンジャーズ、パドレスの7球団と面談を行った。
当時、ドジャースは球団フロントとの面談以外に生え抜きの大エース、クレイトン・カーショーを自宅のあるテキサス州ダラスから呼び寄せ、大谷の面談のためだけにロス入りさせていた。ひと通りの面談が終了した後にカーショーは大谷と2人だけの時間を作り、ドジャースの良さ、チームがいかに大谷を必要としているか…。そして、入団してくれた際には自分が全面的なサポートを買って出るという趣旨のラブコールを送り二刀流右腕を口説いたという。
大谷のリアクションからカーショーは大きな手応えをつかんでいたが、結果は周知の通り。その反動から以後、ドジャース一筋210勝左腕は、大谷についてのコメントを求められても「興味がない」とつれない言葉で〝拒否〟し、フラられた恋人に関心を示さなくなった。
今回のFA交渉でこの〝カーショーとのわだかまり〟がどう影響するかも懸念されているが、ドジャースに近い関係者は「カーショーは11月初旬にFAになり、左肩の手術を受けた。再契約をするにしても戻ってこられるのは来夏以降。来年3月で36歳ということもあって、チームでの立ち位置はもう主役級ではない。大谷の契約に影響を与える立場にはいない」と楽観的に語っている。
ともあれ、2010年から13年間、大谷を追い続けてきた本命・ドジャースの思いが今度こそ結実するのか。大谷の決断が注目される。












