16日開幕の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」(東京ドーム)に向けた侍ジャパンの宮崎キャンプで、日本ハムの万波中正外野手(23)が存在感を発揮している。今季は25本塁打を放ち潜在能力が開花。期待の若手がひしめく今回の代表メンバーに初選出された。まだまだ底知れぬ若きスラッガーの“侍ストーリー”の原点は――。今春開催されたWBCのサポートメンバーとして参加し、目の当たりにした大谷翔平投手(29=エンゼルスFA)の驚がくの打撃練習があった。

 万波が持ち前の打撃力で猛アピールしている。打撃練習では快音を連発。8日に行われた実戦形式の打撃練習「ライブBP」では、左翼線に打者で唯一となる長打性の当たりを放った。「初日から日増しに打撃が良くなっている実感があります。打球の強さや遠くに飛ばすということは、この1クールでアピールできたんじゃないかと思う」と手応えを口にした。

 今季はタイトルまであと1本に迫る25本塁打を放つなど大ブレーク。今回の井端ジャパンでも中軸候補として期待されている。そんな若きスラッガーが今季の飛躍につなげ、将来的な真のトップチーム入りを目指す“原点”にもなったのが大谷の存在だった。今年3月のWBCでサポートメンバーとして招聘され、至近距離で驚がくの打撃練習を目撃した。

 万波 大谷さんのバッティング練習を見て、カルチャーショックぐらい衝撃を受けました。「すごい」「すごい」と聞いていて、想像していくじゃないですか。その(想像した)“すごいバッティング練習”の5段階くらいすごかったんです。天井がぶっ壊れたぐらいの感じでした。

 代表での活動はわずか2日間だったが、圧巻の打撃練習にショックを受け、同時に“いつか追いつきたい”との思いが芽生えたという。

 万波 めちゃくちゃ思いました。この差をどう埋めるか。大谷さんって世界のトップじゃないですか。日本一とかそういう次元じゃない。目の前で見ることができたことは本当に良かったと思ってます。(それまでにも)少しでも近づきたいと思っていて、全く空想でしかなかったものが、現実として起きて現在地を思い知ったというか…。いい意味でレベルの差を思い知ることができました。

 大谷に少しでも追いつくためにも本格的に取り組んでいるのが、打球速度の向上だ。大谷の最速は「191・7キロ」。万波も球界屈指の速度を誇るが、目標値として大谷に準ずる「190キロ」を掲げている。

一心不乱にバットを振り込む万波
一心不乱にバットを振り込む万波

 万波 目指している上で分かりやすい数字もあるので。自分の数値として打球スピードというのも基準になる。その差は、まざまざと感じますし。(自己最速は)試合では182キロだったと思います。はるかまだまだで、先は長いですね。やらなければならないことは多いです。

 サポートメンバーとして参加した当時、万波は壮行試合でチーム1号となる本塁打を放ち、大谷からも祝福されている。貴重な経験だった。そこからWBCでの侍ジャパンの戦いぶりをテレビで全試合観戦。刺激を受け、モチベーションたっぷりにシーズンで大爆発した。

 もちろん、将来的なフル代表入りへの思いを強く抱くきっかけにもなった。今大会での大暴れに向けて「階段の第1歩目として頑張っていきたい」と燃えている。