来季の岡田阪神はさらなるバージョンアップを遂げそうだ。38年ぶりに日本シリーズを制した阪神・岡田彰布監督(65)が6日に大阪市内の阪神電鉄本社を訪れ、杉山健博オーナー(64)に日本一を報告。球界最年長の指揮官はロングランのシーズンを最高の形でフィニッシュし、前夜の歓喜から続く多忙なスケジュールも難なくこなした。年齢や体力面の衰えなどみじんも感じさせない虎将には早大時代の恩師・石山建一氏(81)も〝采配の超進化〟に太鼓判を押している。

 やはり岡田監督はタフネスだった。前夜は自身の現役時代から数え、38年ぶりに日本一の美酒を味わった。日が変わった深夜3時ごろまでチームの面々とビールかけを行い、さらに合間を縫ってテレビ局の特番出演も〝ハシゴ〟。指揮官いわく、睡眠時間は「3時間ぐらい」だったものの「いい疲れなんで大丈夫」と白い歯をのぞかせた。

 一夜明けてこの日は杉山オーナーのもとを訪れ、日本一を報告し、約1時間にわたってじっくりと会談した。「暗い話はないわ。ええ話ばっかり」と岡田監督。杉山オーナーは「よく(成績が)伸びたと思いますし、その結果、チームが強くなった」とし「選手も『まだまだ』と思っているはず」とも続け、球団史上初となるリーグV&日本一連覇を期待した。

 暗にオーナーから〝厳命〟を向けられた虎将も自信満々。つかの間のオフを経て早速、今週末には秋季キャンプ地の高知へと向かう。岡田監督は「毎年、誰か新しい選手が必要。同じメンバーでは絶対戦えないから」と述べており、秋季キャンプで野手を中心にチーム強化へと着手する方針だ。

 昨オフに引き続き、FAなど外部からの選手補強にも指揮官は「眼中にないわ」と言い切っている。あくまで現有戦力の底上げで連覇への土台作りを行う腹積もりだ。

 そんな岡田監督は今月25日で66歳の誕生日を迎える。昨オフは通算3度目の監督業務へ10年ぶりに復帰。当初は球界最年長となることから体力的な負担を不安視する声もささやかれた。だが、いざふたを開けてみれば、今年2月のキャンプから今月5日の日本シリーズ第7戦まで、NPB12球団の中で最も長い「マラソンコース」を見事に〝完走〟。日本一という最高の結果で締めくくった。

 岡田監督が早大時代に指揮官を務め、その後は巨人の編成部長も歴任した石山建一氏(81)も、想像をはるかに超越した教え子の奮闘ぶりに目を細めている。就任初年度で日本一を達成した岡田監督の采配を絶賛するとともに「来年はね、さらに采配面でもキレるというかエネルギッシュになるんじゃないか」と予言し、こうも力説する。

「やっぱり今年は久しぶりの『現場』だったから。体力的にはしんどいこともあったと思う。プロ野球で使う1年間の体力はやはり相当なもの。でもこれを何十年もこなして普通になるとだんだん、それが当たり前になってくる。それこそがプロの世界で生きるための体力ですよ。だから来年は、今年に比べて体は楽になるんじゃないかと思いますよ。より頭もキレて采配にも深みがさらに出ると思って期待しています」

 一方の岡田監督はこの日、体調も崩すことなくシーズンを乗り切ったことに関して「節制しているからやん。記者の人みたいに深夜2、3時まで飲まんからや」。球団史上初の連覇に導くべく、66歳で迎える来季はさらに〝キレキレ〟のタクトが期待できそうだ。