ノアを退団しフリーに転向した中嶋勝彦(35)が、全日本プロレスの3冠ヘビー級王座を初戴冠した。
昼夜で行われた5日札幌大会(ホテルエミシア札幌)夜の部メインで、王者の青柳優馬(28)に挑戦。不敵な笑みを浮かべてながら15年ぶりとなった王道マットに立つと、あいさつ代わりの蹴りを発射。さらに急角度の岩石落としで叩きつけ、いきなり主導権を握った。
だが、7月の戴冠からここまでV5に成功している王者を、ひと筋縄では攻略できない。コーナートップからドロップキックで場外へと蹴り落とされると、場外マット上でDDTをくらうなど、非情攻撃にさらされた。
お互いのプライドが交錯したまま一進一退の攻防が続き、18分過ぎには両者がダウンする場面も。それでも攻撃の手を緩めない挑戦者は得意の蹴りを中心に優馬を追い込むと、ザ・フール(変型フィッシャーマンバスター)をかわし、強烈な張り手を一閃。バーティカルスパイクをカウント2で返されると、師匠・佐々木健介の得意技だったノーザンライトボムでトドメを刺した。
試合後、リング中央にベルトを置いた中嶋は「一発だぞ! おい、この意味わかるか? 明るく楽しく激しい新生全日本プロレス、それを今日からこの新しい3冠王者・中嶋勝彦の闘魂スタイルで染めてやるよ!」と豪語した。
9月末で約15年参戦したノアを退団。10月21日の全日本・後楽園ホール大会に乱入し、優馬との3冠戦で敗れた宮原健斗を花束で殴打する騒動を起こした。
28日の福岡大会でノアラストマッチに出場すると、その2日後には全日本事務所を訪問。王道マット乗っ取りを宣言した上で「闘魂スタイルの、この中嶋勝彦が挑戦表明だ」と福田剛紀社長を恫喝し、まんまと王座挑戦を認めさせた。
まさに〝一発回答〟で王道マットの至宝を手中に収めた新王者の前には、石川修司、安齊勇馬ら5選手が立ちはだかったが、中嶋は実況席の宮原を呼び出す。健介オフィス、ダイヤモンドリング時代の先輩・後輩にあたる2人は7月のノア後楽園大会で約10年半ぶりのシングルが実現。中嶋が勝利を収めていた。
中嶋が「前回はさすがのお前も悔しかっただろ。この3冠ベルトをかけてもう一度やろうぜ」と提案するや、宮原も受諾。大みそかに開催される東京・国立代々木競技場第二体育館大会での激突が決定的となった。
「誇りに思う王道スタイルで、悔しかったら全日本のど真ん中にいる闘魂スタイルの中嶋勝彦から力で取ってみろ!」。高らかに宣戦布告した蹴撃戦士の戴冠で、全日マットは風雲急を告げてきた。













