指揮官にとっては寂しい光景に映ったようだ。ソフトバンク宮崎秋季キャンプの4日、小久保裕紀監督(52)が第1クールを総括した。個人練習に特化した今回のキャンプは、選手個々の狙いを尊重。午前は個別練習、午後は自由練習という流れで、特に午後は選手の目的意識が試されるとあって、小久保監督は注目していた。
「基本、自由練習はこちらから引っ張らない。促すことはしない。自分で考えてやれる選手をつくり出すのが狙いなんで。できるかどうかは、はなはだ疑問ですが…。あと3クールあるんで、とりあえず見てみようと思います」。心の声が思わず漏れたのには理由があった。「グラウンド(メインとサブ)両方空いている。こんなにメイン球場空いている」。ランチタイムを挟んだ午後の自由練習、屋外グラウンドは閑散としていた。
「そんな遠慮はいらない。とことん、全員の首脳陣がいる中で、毎日ごますりの当てつけのようにフリーバッティングをする選手がいてもいいと思うんです」。期待し、待ち続けた光景は訪れなかった。口に出すと「促すことにつながる」と自制してきたが、コーチ陣の間でも広がる違和感を受けて、引っかかっていた思いを表明した。
今季から球団が導入した最新鋭ピッチングマシン「アイピッチ」が室内に設置されているため、自由練習の室内派が多いのは事実。ただ、指揮官は「アイピッチはすごい人気がある。それは仕方ないんですけど、せっかくメイン球場が空いているし、コーチが空いているなら(コーチを)使ってもいいと思うんです」と、視野を広げて臨機応変に取り組む〝反射神経〟の物足りなさを嘆いた。生き馬の目を抜くプロ野球の世界。「ごますりの当てつけ」と表現したように、時にはライバルを出し抜くアピールも必要だ。「これで一軍(の選手)に勝てるのかなあ」。チームは世代交代の過渡期を迎え、若い新戦力の台頭が望まれている。何とも言いがたい歯がゆさがにじんだ。
「短い野球人生ですからね。やれる時にね」。思いの詰まった小久保節だった。












