岡田彰布監督(65)率いる阪神は29日の日本シリーズ第2戦・オリックス戦(京セラ)に0―8で完敗。対戦成績は1勝1敗となり、31日の第3戦(甲子園)から仕切り直す格好となった。シーズン最後の超真剣勝負とあって、虎の指揮官から漂う緊張感は日に日に増す一方。ド直球な受け答えで野球ファンを楽しませてきた恒例の監督囲み取材でも、微妙な変化が起き始めている――。
「協議するんやってな。ベースまでは主審の判断と違うんか?」。試合後の岡田監督は審判団のジャッジに苦言を呈さずにはいられなかった。問題のシーンは初回一死一塁としたオリックスの攻撃。森が放った一塁線付近への打球を好捕した大山は、二塁ベースカバーに入った遊撃手・木浪に送球し「3―6―3」の併殺を完成させた…かに思われた。
この時、球審の市川はフェアと判定したが、一塁塁審の福家のジャッジはファウル。2人の判定が食い違ったため審判団による協議が行われ、最終的には場内のマイクで「協議の結果、ファウルとしてプレーを再開する」と責任審判の嶋田(左翼線審)が説明した。
岡田監督はすぐさま抗議に出向き、厳しい表情で審判団に詰め寄るも判定は覆らず。試合後は「(本塁から一塁)ベースまでは主審の判断ちゃうんか? そんなんオマエ、協議のルールなんか知らんよ、俺。シリーズやから何も言わんかったけどな。そんなルール野球やってて初めて聞いたわ」と怒りを押し殺した。
38年ぶりとなる悲願の日本一を目指す戦いは、最大でもわずか7試合の短期決戦。一戦一戦の重みはレギュラーシーズンの比ではない。だからこそ、虎指揮官の真剣さや緊張感も極限まで研ぎ澄まされていく。初回のエンドラン失敗や4回の併殺打など4タコでいいところなく終わったルーキー・森下に対しても「初回からガクっとくるよな。『打ちたい打ちたい』って、もうそれしかないもんなあ」と終始、手厳しかった。
情報戦の側面も色濃い日本シリーズだけに、敵軍に余計な情報を渡すまいと神経をとがらせる日々も続く。シリーズ開幕直前の24日に行われた全体練習(甲子園)では一部メディアの過熱気味な報道を懸念し、監督の囲み取材を行わなかった。
28日の第1戦の勝利を手繰り寄せた佐藤輝の盗塁についてもベンチからの指示か、佐藤輝の独断であったかは「まだ試合があるんでちょっと言えない」と当然ながら明言せず。「思い切りがいいからな、佐藤は。ホンマに初球から行きよった」とペン記者囲みでわずかなヒントを残したが、どこまでが本音なのか…。煙幕の向こうにある真実は、岡田監督本人だけが知るところだ。
球団関係者は「すべての〝答え合わせ〟はシリーズが終わった後に、監督がしてくれるはず」とニヤリと笑う。大団円で宙を舞い、通常モードの深みある「岡田語録」が戻ってくる日が今から待ち遠しい。












