阪神が8日の巨人戦(東京ドーム)に7―6で競り勝ち5連勝。貯金を今季最多の19とし、2位・広島とのゲーム差を3・5にまで広げた。

 Gのエース・菅野を早々にKOし、3回終了時点で5―0と大差でリードする〝楽勝モード〟の試合展開。だが先発の西純や救援陣が相手打線の反撃を許し、気がつけば1点差にまで詰め寄られることに…。9回も守護神の岩崎が二死一、二塁と長打が出ればサヨナラ負けというピンチを背負ったが、秋広から見逃し三振を奪いゲームセット。薄氷の勝利を何とかものにした。

「5―0からのスタートやからな。絶対勝たなあかんゲームになってもうた。そういう時の方が結構しんどいんよ」と試合後の岡田彰布監督(65)は安堵の表情でこの日の一戦を振り返る。「こういうゲームはチームを強くするか?」と問われると「おーん。強くするいうか、強なってるんちゃうか。こういうふうに負けないことが大きいわな。1点差やけどな」とチーム全体の成長に目を細めた。8月に入って以降、勝ち試合の後であろうと常にピリピリとした空気を周囲に漂わせていた虎将だが、この日は珍しく終始穏やかな口調で試合後取材に応対していたのが印象的だった。

 15年の時を経てなお今も虎党の脳裏を〝よぎる〟悪夢がある。岡田虎と原巨人の因縁を語る上で避けては通れないのが、2008年のペナントレースだ。最大で13あったゲーム差を逆転されたいわくつきのシーズンは、巨人サイドから見れば「メークレジェンド」として。阪神サイドから見れば「歴史的大失速V逸」として今もなお語り継がれている。

 同時代に中日の監督としてTGとしのぎを削った落合博満氏は6日に出演したNHKの「サンデースポーツ」で「原巨人の逆転優勝の可能性は十分にある」と発言。もう一人の名将の不気味な〝予言〟は虎党の心を大きくザワつかせた。08年8月8日の首位・阪神と2位・巨人のゲーム差は「8」。くしくも今季この日の試合前時点とまったく同じ数字でもあった。

 長丁場のシーズンは最後の最後まで何が起きるか分からない。〝アレ〟の2文字はおろか、順位や貯金についてすら話題に出すことははばかられた今月ここまでの監督囲み会見だったが、この日の岡田監督の穏やかな表情からは、ここまでのチーム強化とナインたちの成長に対する確かな手応えが伝わってきた。