【グラゼニ球論・金村暁】阪神は8月に入り5勝1敗と好調を持続。前カードの対DeNA3連戦(4~6日、横浜)では見事なスイープを決め、地力の確かさを周囲に見せつけてくれました。
投手陣の最大の殊勲者は文句なしで島本浩也投手(30)でしょう。4日のカード第1戦では8回二死満塁のピンチでマウンドに上がり、佐野を空振り三振に仕留める一撃必殺のワンポイントリリーフ。6日の第3戦でも1点リードの7回一死二、三塁から3番手として投入され楠本を遊飛、関根を空振り三振。〝火消し役〟として最高の仕事を成し遂げ、チームの窮地を救ってくれました。
4日の投球内容が特に象徴的でしたが、左打者のアウトローへ徹底的にストライク&ボールを〝出し入れ〟する投球術は見事の一言でした。島本の最大の売りは、マウンド度胸とピンチでも全く引かない気の強さ。さらに言うなら、制球力もよく失投がほとんどありません。ランナーが三塁にいても、ちゅうちょせずに狙ったところへフォークボールを投げ切れる投手はそうそういないでしょう。
2019年にはキャリア最多となる63試合に救援登板し防御率1・67の好成績をマークしていますが、トミー・ジョン手術などを乗り越え「あの頃のシマが戻ってきてくれたな」という印象です。
岡田監督も「走者を背負ったら島本を使う」と語っていたそうですが、まさに島本は火消し役に最適任な投手だと思います。使い勝手のよさもあり、今後出番は増えていくでしょうが、まだ8月。守護神の岩崎を筆頭に、岩貞、加治屋、K・ケラー、石井と駒はそろっていますので、できるだけ負担を分け合いながら体力を温存してほしいところです。それが9月以降の〝ムチ入れ〟につながっていくでしょう。
ブルペン陣だけでなく、先発投手陣、打者陣も状態は良好です。19勝5敗と破竹の勢いで勝ち進んだ5月の再現も十分にあり得るでしょう。今のうちに少しでも貯金を積み重ね、有利な状態で秋を迎えたいですね。(本紙評論家)












