最後の1人は「気合の戦士」だった。巨人は27日、球団OBの矢野謙次氏(43)が一軍打撃コーチに就任すると発表した。球団からは「公表時期調整中」とされていたが、これで阿部慎之助新監督(44)を中心とする来季の全組閣が固まった。矢野氏は2015年6月以来、8年ぶりの古巣復帰となるが、過去には幻に終わった入閣プランも存在していた。

 4年ぶりのV奪回へ、また1人頼もしい男が加わった。球団は16日に組閣を発表していたが「公表時期調整中」としていたのが矢野氏だった。

 矢野氏は02年のドラフト6位で巨人に入団。15年6月に交換トレードで日本ハムに移籍し、18年限りで現役を引退した。その後は日本ハムで米国へコーチ留学し、22年まで一、二軍でコーチを務め、今季はチーム統括本部アマスカウトとして活動した。そして26日にドラフト会議が終了。一夜明けたこの日、日本ハムから任期満了に伴う退任が発表され、巨人の発表に至った。

 現役時代の矢野氏は無類の勝負強さを誇った。08年以降は故障の影響もあって出場機会を減らしたが、巨人時代の10年からは「代打の切り札」として地位を確立した。特に13年の代打打率は3割5分8厘(53打数19安打)をマークし、得点圏率も3割4分9厘を記録。当時、指揮を執った原前監督から「代打の神様」と絶賛されたほどだった。矢野氏は阿部監督とも親交が深かったが「ここぞの一打」が出ない弱さは、近年のチームの大きな課題でもある。

 巨人には8年ぶりのカムバックとなるが、実は以前にも水面下では復帰話が持ち上がっていたといい、球団関係者は「原監督が3度目の監督に復帰された時、ちょうど矢野選手が日本ハムで現役を引退するタイミングと重なったんです。そこで原監督のほうから直々にコーチとしての入閣を打診したと聞いています」と明かした。

 19年から今季までの5シーズンでタクトを振った原前監督は、成績不振の責任を取って辞任。第3次政権を発足させる構想の中に矢野氏も入っていたという。結果的には実現に至らなかったものの、阿部監督に政権交代したタイミングで古巣復帰することとなった。

 矢野氏の背番号は今季まで阿部監督がつけた「80」。一枚岩となって頂点を目指す。