広島が崖っぷちに追い詰められた。CSファイナルステージ第3戦(19日・甲子園)は1―1で迎えた9回二死満塁から守護神・栗林が阪神・木浪に右翼へ適時打を浴び、痛恨のサヨナラ負け。阪神にアドバンテージの1勝を含む3勝目を献上し、王手をかけられた。

 もう後がなくなる中、カープにとって唯一の光明となったのは先発・大瀬良大地投手(32)の力投だ。7回を80球、3安打1失点。試合後の新井監督は「これぞ大瀬良大地という投球を見せてくれた。気迫のこもった素晴らしいピッチングだった」とたたえた。一方、大瀬良も「腕も振れてたし、体自体もよく動いて、真っすぐもよかった」と納得の表情だ。

 今季は6勝11敗と不本意な成績にあえいだ。不振にさいなまれたレギュラーシーズン真っただ中、夏場のタイミングで大瀬良は「試合に入る気持ちを変えました」と明かし、こうも続けていた。

「今年は勝てない状況が続いていて、気持ちを入れていっても引っくり返される試合が多かった。だから変に気負わず気持ちの持ち方を変えて、フラットに試合に入っていくことにしたんです」

 つまり「あまり先を見ず、優勝とか考えず、まず目の前の試合に集中すること」を心がけて意識し、さらに「それを重ねていってちょっとずつ先(優勝)が見えてくればいい」と考えるように切り替えたのだ。

 土俵際に追い詰められてしまったとはいえ、大瀬良は「明日は失うものもないし、本当にぶつかっていくだけ」。エースのフラットな心構えがチーム全体に浸透し、今後のミラクル逆転劇につながるか。