短期決戦ならではの〝強行登板〟も実らなかった。広島は18日、阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦(甲子園)に1―4で敗れた。先発の九里亜蓮投手(32)は5回5安打4失点と乱調。ファーストステージ第1戦(14日)に中継ぎで登板後、中3日で先発するも実らなかった。

 この日、先発した九里にとっては14日のCSファーストステージ第1戦(マツダ)の中継ぎ登板から中3日での先発マウンド。4回までは森下のソロ本塁打による1失点で抑えていたが、5回一死から死球を与えるなど崩れ、村上、近本に連続適時打を浴びて勝ち越しを許した。

 5回5安打4失点で無念の敗戦投手になり、涙をのんだ。それでも試合後の新井監督は「九里はよく頑張ってくれた。また次の登板に備えてほしい」と右腕をねぎらった。そして「坂本に追い込んでから死球を与えて、九里本人ももったいなかったなと思ってるんじゃないか。それも含めて、中3日でよく頑張ってくれた」とも続けた。

 当の九里は「先制点を取ってもらった後で追いつかれて、逆転されてという形になって申し訳ないです」と反省の弁。今季初の中3日には「全然問題なかった」と即答し「『行け』と言われたところで腕を振るだけなので、しっかり準備してやりたい」と言い切った。

 大一番で阪神打線を抑え込んでいれば、将来のメジャー挑戦に向けても絶好のアピールになるはずだった。

 九里は7月に海外FA権を取得。その上で「アメリカの野球に興味がある。自分の力がそこまでのレベルに達したら」と述べており、MLBでプレーすることに憧れを抱いている。

 今年1月には米シアトルのトレーニング施設「ドライブラインベースボール」で単独自主トレを敢行。DeNAのバウアーがメジャー時代から通い、今オフのメジャー移籍が確実視されるハマのエース・今永も練習を積んだ場所だ。

 しかも、この自主トレは九里の米国人の父親でメジャー傘下3Aでもプレーした経験を持つ元マイナーリーガーのマーク・アントニオ・シェック氏が裏側でサポート。将来的なMLB挑戦への意欲をのぞかせた際に「自分が投げている姿を生で見てほしい」と口にし、実父への思いも吐露していた経緯がある。

 CS敗戦の悔しさを糧とし、さらなるステップアップと夢の実現に向けてまい進してほしいところだ。