【柏原純一「烈眼」】リーグ優勝から1週間が経過した阪神で岡田彰布監督(65)の思考は、すでにポストシーズンへと向いているはずだ。中でも難しいのが、出場を決めている10月18日からのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージまでの過ごし方だ。
現状で公式戦全日程終了後から10日間以上、試合のない日が続くだけに実戦感覚の維持は言うほど簡単な状況ではなくなっている。本来ならば若手育成の場となる10月9日開始の宮崎「フェニックス・リーグ」をうまく活用していくなど、いくつかの手段は思い浮かぶ。だが、ここまで毎日のように打席に立つことが当たり前だった野手は特に調整が難しい。
繊細な打者なら1週間も打席に立たない日が続けば、感覚的に投手のボールの見え方も変わってくる。CSという短期決戦の特性を考えてもレベルの高い投手ばかりと対戦することになるのは必至。それだけに何とか万全を尽くして迎えたいところだが、残念ながらやれることは限られる。
私自身、CS制度ができて以降、日本ハムで一軍打撃コーチ(2014~15年)を務めた際に経験させてもらったが、いずれも公式戦を終えてから間もない期間で開幕したファーストステージからだった。今年の阪神のような状況で「どう備えたか」の経験はない。
だが仮に担当コーチの立場であったとすれば、「打つ」以外に「走る」ことも準備期間中のメニューに加えるだろう。あくまで体のキレを出すことを目的としたもので、塁間程度の15~20メートルの距離を最低でも1日5本をノルマに課す。個人差はあるにせよ試合と同程度の運動量、汗を常にかいておくことで間隔を空けた中でも、いざ試合を迎えたときに頭(イメージ)と体の動き(コンディション)がかみ合わないという懸念も少しは軽減されるのではないかと思う。
とはいえ、こうすれば必ず…といった対処法を断言するのは難しい。日々の打撃練習の中で各々(おのおの)がこれまでやり抜いてきた形で、あくまで実戦を意識した打球を打つように心がけ、良いイメージを持って本番に臨む。打者にはつきものである好不調の波の良いほうのピークを、CSに持っていってもらいたい。 (野球評論家)











