リーグ3連覇を成し遂げたオリックス。その原動力は「整備された投手力のおかげ」とみる向きが強いが、攻撃陣にも今季目覚ましい飛躍を遂げてチームをけん引した功労者がいる。打線の中軸を担ってきた頓宮裕真捕手(26)だ。
プロ5年目の長距離砲はオリックス入団直後から「打てる捕手」として期待されていた。だが、度重なるケガもあり低迷。昨季も81試合の出場で自身初となる2桁本塁打(11本)をマークしたものの、打率は2割2分6厘に終わった。そんな頓宮がなぜ今季、突如として首位打者を争うまでの巧打者に成長したのか。
昨季までオリックスで頓宮と切磋琢磨した日本ハム・伏見寅威捕手(33)はその「変化」をこう分析する。
「僕の印象ではもともと長打力があるバッターで、いつでも一発が打てる打者という感じです。ただ、昨季までは長打を狙い過ぎていて穴も大きかった。その影響で率(打率)が残せなかったのだと思います。でも、今年は本当に甘い球をしっかり打ち返していたし、ミスショットが少なかった。僕がマスクをかぶって(頓宮と)対峙(たいじ)した時も本当に球の見極めができるようになっていました。今までなら確実に振っていたボール球も今年は振らなかったので。このあたりの成長は本人の努力だと思いますが正直、頓宮は首位打者を狙うタイプではないと思っていましたから…。彼のシーズンを通しての活躍には驚かされましたね」
持ち前の長打に頼らず、安定感のある打撃スタイルに変貌を遂げた頓宮。これが周囲の打者に好影響を与え、打線を活性化させた点も大きかったと伏見は指摘する。
「出塁率が4割超えで本塁打、打点も稼げる正尚(吉田=レッドソックス)が抜けた穴を新加入した友哉(森)が一人で補うことはできない。僕はそう思っていました。そこに頓宮が中軸の一人としてシーズン序盤から安定した成績を残し、打線をつなぎながら周囲を活性化させていましたから。今季のオリックス打線というと友哉に目がいきがちですが、頓宮の存在も欠かせなかったはずです」
目立つ存在ではないものの、今やチーム攻撃陣の屋台骨を支える26歳。プレーオフでもその力は脅威となる可能性が高い。












