【赤ペン! 赤坂英一】ついに実現した巨人・坂本の三塁コンバート、果たして成功するのか。7日のヤクルト戦から17年目で初めて三塁でスタメン出場し、定位置だったショートを新人の門脇に“禅譲”。原監督は「チーム最善策でシーズン最後の最後まで(続ける)」と明言した。
言うまでもなく、坂本の打撃には大きなプラスだ。守備での負担が軽減されるため、近い将来には史上2人目の3000安打、張本勲氏の3085安打を抜く新記録樹立も視野に入ってくる。
ちなみに、2012年の自主トレで坂本に遊撃守備を教えた宮本慎也氏(当時ヤクルト)は1996~08年、ショートのレギュラーでゴールデン・グラブ(GG)賞を6度受賞。09年から三塁に回ると、42歳だった13年に引退するまで4度GG賞に選出された。
今年34歳、通算2306安打の坂本が42歳になるまでの8年間、毎年100安打を打てば、3000安打は、むしろ余裕で到達できる勘定だ。
遊撃と三塁はすぐ隣の守備位置なのに、そんなに違うのかと思われるかもしれない。が、現役時代、両方でGG賞を獲得した石井琢朗氏(現DeNAチーフ打撃コーチ)は、拙著『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)でこう証言している。
「サードは打球を待って捕っても間に合うんですよ。その点、ショートの位置は三塁よりも深いので、待って捕る打球、前に出て捕る打球があり、それに合わせた足の運び方をしないといけない」
サッカーに例えると、これぐらい違うそうだ。
「サードはGKみたいなもの。シュートのボールに反応すればいい。ショートはMF。いろいろなボールやパスに対応し、細かい連係プレーが求められるという意味で」
となると、坂本の後継者としてショートを守る門脇の重責も相当なものだ。もし彼がスランプに陥ったら、原監督はどこまで我慢できるのか。
そこで思い出されるのが原の選手時代、サードからレフトへコンバートされた89年のこと。「元に戻ることはないんですか?」と聞いた原に、当時の藤田監督は「今度お前を動かすときはフェンスの外だ」と言い切った。
しかし、翌90年7月、サード岡崎がケガをすると、藤田監督はすぐさま原を三塁へ再配置転換。この時はそれが「チーム最善策」だったのだろう。今後は原監督の緊急時のタクトにも注目したい。













