巨人の歴史が大きく動いた。7日のヤクルト戦(神宮)で原辰徳監督(65)が大きな決断を下した。体調不良から復帰した坂本勇人内野手(34)をプロ初となる三塁でスタメン起用。その坂本が好守と1本塁打を含む2安打2打点の活躍を見せ、5―2とチームの勝利に大貢献した。指揮官による〝聖域破壊〟の裏にはルーキーの驚異の成長があった。
坂本の「5番・三塁」でのスタメンが発表されると球場が大きくどよめいた。2038試合と遊撃の歴代最多出場数を誇る坂本にとって、三塁スタメンはプロ17年目で初めて。これまで遊撃以外では一塁、二塁、DHでの出場だけだった。
その背番号6が攻守で躍動。守っては4回二死二塁でサンタナの三塁線への痛烈なゴロに飛びつき好捕、5回無死一塁では三ゴロ併殺を完成させた。打っては1点リードの9回一死一塁で試合を決める17号2ランを左翼スタンドに叩き込んだ。
指揮官は坂本の三塁守備に「ねえ、いいプレー。今日は全般的に内野の守備が全員良かったんじゃないでしょうかね。(投手を)救ったと思いますね」とたたえた上で、その意図については「いろんなことを考慮して。やっぱり彼にずっと離脱してほしくないし」と説明した。
そんな指揮官の決断をチームも〝大歓迎〟。「原監督以外では坂本を説得はできなかった」とスタッフの1人は指摘する。一体どういうことなのか。遊撃ポジションに並々ならぬ思いを持つ坂本は「こだわりというかそこ(遊撃)で出るのが当たり前だと思っているので」と言うように、チーム内では配置転換の話題自体が〝タブー視〟されてきたという。
だが、ここにきて指揮官を決断させたのがドラフト4位・門脇誠内野手(22)の急成長だった。この日も「8番・遊撃」で出場した門脇は内野安打になりそうな当たりを遊ゴロで処理。別の球団関係者は「門脇のこれまでの守備を見たら、坂本も納得せざるを得ない。坂本自身、ここ数年は離脱を繰り返してチームに迷惑をかけている。今のタイミングでしか三塁コンバートは受け入れなかっただろう」と分析した。
門脇は課題だった打撃でもプロの水に慣れ、打率2割5分3厘まで上昇。「4回に1回は打てるようになったのが大きい」とコーチの1人は成長に目を細めている。
一方の坂本は初の三塁守備を「全然ね、(遊撃と)全く違うものでしたし、慣れるまですごい時間かかりそうだなと思いますね」と戸惑いを隠せなかったが「ちょっと前に(原監督から)『準備しといてくれ』というのは(言われていた)。練習だけですけどノックではやってたんで」と事前に打診があったことを明かした。
チームの未来を考えればいつかは「決断」しなければならなかったことだが、ルーキーの急成長が時計の針を一気に進めることになった。













