勢いの差よ――。首位阪神は23日の中日戦(京セラ)に7―2で逆転勝ちし、4連勝で優勝マジックを一つ減らして24とした。これで最下位の中日には2カード連続の勝ち越し。格の違いを見せつけた。

 1―2の5回、一瞬のスキを見逃さなかった。無死一塁から大山の投ゴロを相手先発の小笠原が二塁へ悪送球。このミスに乗じて一死二、三塁と好機を広げ、前の打席で14号ソロを放っていた佐藤輝が右前に同点打、さらに一死満塁から木浪が左翼へ犠飛を放って勝ち越し。終盤にも6回の近本の7号ソロ、8回には3四球と2本の安打を絡め、3点を奪って勝負を決めた。

 この日の白星で岡田監督は阪神監督として歴代3位の通算460勝に到達。ただ、指揮官は「そんなん計算してないから分からへんよ。一つ一つの積み重ねやから」と涼しい顔で受け流し、京セラドームで今季8戦8勝としたことには「(空調が効いていて)涼しいんでね。やっぱりいいですね」と白い歯を見せた。

 そんな無双状態の地では今2連戦からある〝変化〟が生じていた。「アレ=優勝」が確実に近づいていることを示す〝フィーバーの前兆〟とも言える現象で、同球場のカメラマン席にはっきりと見てとれた。

 6台ほどのスチルカメラが並び、比較的スペースに余裕のあった一塁側とは対照的に、三塁側はスポーツ紙、一般紙などのスチルカメラマンが10人以上も並んだ。この日の先発が阪神は大竹、中日は小笠原と両軍とも左腕だったことを考えれば、背中側からの撮影になってしまう三塁側でカメラマンが密集するのは〝異常事態〟とも言える。

 そうなったのはメインのターゲットが一塁ベンチから戦況を見守る岡田監督だったからだ。就任1年目で、早速悲願達成へとチームを導かんとする将の一挙手一投足への注目度は過熱するばかり。前回政権時は「試合中に表情を変えることは、ほとんどなかった」と証言するチーム関係者も多いが、今回は表情もバリエーションに富んでおり、被写体としての魅力もマシマシになっている。

 試合中に価値ある一打が飛び出したり、自軍の投手がピンチをしのげば手を叩いて大喜びし、白い歯を見せる回数も前回政権時とは比較にならないほど多い。もちろん、覇気のない姿に怒気を含んだ仏頂面を見せる場面も健在だ。グラウンドでプレーする選手の働きもさることながら、65歳の知将は間違いなく〝猛虎フィーバー〟の中心にいる。