長期戦は得意よ――。阪神は22日の中日戦(京セラ)に延長10回、4番・大山のサヨナラ打で3―2と競り勝った。岡田彰布監督(65)は4時間25分の激闘を振り返り、二死一塁から中野、森下が連続四球を選んだ時点で〝雰囲気〟を感じとっていたと告白。「大事なところでボールを振らない。延長になってボール球を見極めたときが一番、声出るなあ」と選球眼で勝負をお膳立てした打線にご満悦だった。

 残り32試合で2位広島とは7ゲーム差。優勝マジックも一つ減らして25とした。「アレ」がハッキリと見えてきた中で、見据える課題は、やがて来る短期決戦への体制づくりだろう。岡田監督もこの日1か月半ぶりに先発機会を与えた西勇のように、今後の戦いへ向けた戦力の〝見極め〟作業に入った模様だ。セのライバル球団スコアラーも「先発、リリーフとも層の厚みが他と全然違う」とうなる投手陣は先発、中継ぎ陣とも充実。ここまで登板を重ね、貢献してきた投手でさえ、この先のクライマックスシリーズ(CS)では「ベンチ外」「登録外」の危機に陥りかねないほどハイレベルだ。

 先発陣では村上、伊藤将、大竹までは決まりだろうが、6勝の才木、5勝の西純や復調傾向にあるエース・青柳、西勇など今季10試合以上に先発した投手が7人いる。加えて、シーズン途中で先発転向したビーズリーも今後次第で候補となり得る。最大6試合のCSファイナルでは、先発投手がブルペンで第2先発の役割を担うケースも多いが、今の阪神では簡単にその枠に滑り込めるかは別の話だ。

 守護神・岩崎に岩貞、加治屋が40試合以上に登板。島本、石井ら20試合以上で投げている5人に加え、シーズン途中からブルペンに加わった桐敷や新外国人・ブルワーなど、現在も1人がベンチ外になるほど頭数には余裕がある。それこそポストシーズンでは、自動的に誰かが〝お役ご免〟となる狭き門なのだ。

 終盤戦になって自分の〝稼ぎ場所〟を奪われるなど、誰でも本意ではない。アレを確実な状況にしつつある中でも投手陣のチーム内競争は激しさを増すばかり。岡田流の投手操縦術はスキのなさが際立っている。