第105回全国高校野球選手権大会第9日の第1試合は、鳥栖工(長崎)が日大三(西東京)に1―3と惜敗した。

 話題をさらった〝ライダー兄弟〟の夏が終わった。力投を続けたエース・古沢(3年)が1―1で迎えた6回、一死二塁のピンチから森山(3年)に右中間に適時二塁打を運ばれ、勝ち越しを許してしまう。

 7回からは2番手に1年生右腕の松延響(ひびき)がマウンドに上がり、捕手の兄・松延晶音(あぎと、3年)との〝ライダーバッテリー〟が富山商との初戦に続いて実現。二死二、三塁のピンチを招くも7番・大貫(3年))に対して自己最速タイの144キロを計測する快投で一飛に仕留めた。

 しかし、打線が2回途中からロングリリーフした相手エースの安田(3年)のチェンジアップに翻ろうされ、追加点が取れない。8回には松延響が二死三塁から池内(3年)に一、二塁間を破られて痛恨の追加点を与え、1―3と惜敗した。大坪監督は「先に勝ち越したかったが、投手力が高かった。何とか勝ちたかった。また力をつけて出直したい」と前を向いた。

 兄・晶音の涙が止まらなかった。初回に先制打を放ち、攻守の要としてチームをけん引してきた。「今までで一番いい試合ができた。しっかり気持ちが入って抑えることができた。悔いはない試合。あと1本が出なかった」と振り返り、弟には「コースにしっかり来ていてよかった。楽しかった。大舞台で2人でバッテリーを組めた。一生の宝物です。ここで満足することなく、上を目指してほしい」とエールを送る。

 響にも思いは届いている。「アドレナリンが出て、持っている以上のものが出せた。お兄ちゃんにありがとうと言いたい。一緒に組めて幸せでした」。新チームを見据え「今の自分の力では打たれてしまう。レベルアップして自分が甲子園に連れて行きたい。変化球のキレ、緩急、コントロールが足りない。また1から体を作る」と涙は見せず、聖地再挑戦を誓った。