敗れても評価がさらに高まった。ブルージェイズ・菊池雄星投手(32)は8日(日本時間10日)の敵地ガーディアンズ戦で7回を95球、3安打1四球1失点、6奪三振。ハイクオリティスタート(HQ)の内容で快投したものの打線の援護を得られずチームは0―1のまま敗れ、自身も今季4敗目を喫した。
2回先頭の4番・ゴンザレスに不運な当たりからショートへの内野安打で出塁を許し、続く5番・ラウレアーノには左翼への適時二塁打を浴びて先制された。それでも全く動じることなく、この回以外は6回まで無安打投球。3回一死で対峙した3番・クワンを一ゴロに仕留めた際には一塁手・ゲレーロJrの一塁ベースカバーにマウンドから全力疾走で入り、グラブをはめていない左手の素手で送球をキャッチしながらベースを踏み込み、アウトにする絶妙なファインプレーも見せた。
それでも勝ち星は呼び込めず、MLB移籍以来初の2桁勝利はお預けとなった。カナダの地元放送局「スポーツネット」は、この日のブルージェイズの敗戦について「キクチの殊勲が無駄になった」とリポート。「キクチはここのところ絶好調で過去5試合に登板し、29イニングを投げて防御率1・24だ」と指摘し、同日のガーディアンズ戦での登板に関しても「唯一のダメージは2回にオスカー・ゴンザレスが内野安打で出塁し、ラモン・ラウレアーノの左翼線二塁打で生還を許したシーン。それだけだった。ラウレアーノの打席の後、キクチは続く18人の打者のうち17人を凡退させた」と大きく評価した。
また、試合後にはシュナイダー監督が菊池について「今夜の彼は相手を完全にコントロールしていた。効率的な投球で本当に素晴らしかった」と大絶賛。さらに「彼がいなかったらわれわれはどうなっていたか分からない。防御率(3・53)も15位以内の上位だ(ア・リーグ14位)。三振も数多く(125奪三振で同リーグ18位)奪っている。彼は耐久性があり、安定している」と激賞したことも同メディアは伝えている。
ブルージェイズはア・リーグのワイルドカード争いで圏内3位の座をキープ。ここまで開幕から一度も離脱することなく先発ローテーションを守り、チームをプレーオフへ導く力投を続けている菊池に対し、指揮官は「素晴らしい」と最大級の褒め言葉を再三にわたって繰り返したという。
さらにMLB公式サイトも同日掲載のリポート記事で「『自信と確信』によって、キクチはこれまでで最高の1年を過ごしている」と称賛。記事では「ブルージェイズの打線はキクチを何もサポートすることができなかった。それでも今シーズンはキクチのキャリアの中で最高の伸びかもしれない。もはや〝ホットスタート〟と評するようなレベルの話ではなく、夏が終わるにつれて成功を持続し、より強くなっている1人の投手をわれわれは今、見ているのだ。そして2022年にはなかった自信と自由も彼のプレーには見ることができる」ともつづられている。
MLB移籍5年目を迎え、菊池は飛躍の時を迎えたようだ。








