真夏のこいのぼりが止まらない。広島が27日のヤクルト戦(マツダ)を4―1で制し、2019年5月以来の10連勝。阪神と入れ替わりで4月17日以来となる首位に立った。就任1年目の新井貴浩監督(46)は開幕4連敗からの船出だったが、選手を信じ、一丸野球でじわじわと浮上。4番を担ってきた西川龍馬外野手(28)の離脱にも動じることなく〝適材適所〟で白星を重ね、2018年以来のリーグVも夢物語ではなくなってきた。
【赤ペン! 赤坂英一(特別編)】新井カープが怒とうの10連勝で単独首位浮上である。新井監督は試合後に力強く言い切った。
「ここまで来られたのは選手全員の力。一人ひとりが、きょうは俺がやってやろう、と思っている。だからこそ、連日僅差の試合を勝ちきることができてるんです」
その中心にいたのは、10連勝中、直近5試合で4番を打った上本だ。170センチ、73キロと12球団一小さな4番ながらも連日地味な働きで貢献。初めて4番に抜てきされた22日の中日戦では2安打をマーク。特に同点の7回、勝ち越しのチャンスを広げたつなぎの一打が光った。
そんな上本の働きを、新井監督はこう絶賛。
「彼はチャンスメークもできるし、つなぐこともできるし、勝負強さもある。1試合の中でいろんな打順もポジションもこなせるし、オンリーワンの選手ですから」
上本にプレッシャーをかけるとは思わなかったのか。そう聞くと、新井監督は首を振った。
「クレバーな選手なんで、メンタル面も整えて臨んでくれると思った。私も信頼してますんで」
ただし、4番抜てきを通達するには、新井監督なりに気を遣った。上本本人によると、「4番は前日の練習終了後、打撃コーチを通してコソッと伝えられた」という。現役時代、4番の重圧に耐えきれず、山本監督の前で号泣した新井監督ならではの配慮である。
上本は4番のプレッシャーを感じていないのか、本人に聞いた。
「ああ、プレッシャーはないです、ないです。僕には1番から8番まで、どの打順でも全部同じなんで。4番といっても4番目に打つだけ。いつも通りに、自分にできる打撃をしてチャンスをつなごうと思いました」
上本は数年前、「僕はレギュラーやスタメンで出場できる選手じゃない」と発言したことがあった。「代打、代走、守備固め、いつどんな形で呼ばれても、しっかりと役割が果たせるようにしておきたい」と。
熱心なファンはSNSでそんな昔の上本のコメントを改めて紹介。「一生応援しようと決めた」と投稿している。
上本自身、今でも自分の発言を覚えていた。
「確かに、そういう話をしたことはありました。代走、守備固めと、僕にできることなら何でもしようと思っています。あのころから僕を応援してくださるファンのためにも、もっと頑張らなきゃいけませんね」
こういう選手の力を引き出せるのが「新井マジック」の真骨頂。だから、今のカープも強い。












