【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】まだ4月とあって、セ・リーグの順位争いは混沌としている。3連覇を狙うヤクルトに三浦DeNA、岡田阪神、新井カープが上位でしのぎを削る中、注目は指導者経験ゼロで就任したと広島・新井貴浩新監督(46)だ。「自分はピカピカの一年生」と謙虚な姿勢をとっているが、人心掌握に長けた一面も見せている。
それがうかがい知れたのは18日からの阪神3連戦(甲子園)だった。初戦は守護神・栗林を投入しながら逆転サヨナラ負け。翌19日は1―6で完敗。20日の第3戦は初回に相手先発・西純から2点を先取するも、来日初登板初先発のアンダーソンが直後に3失点。2回も4連打で1点を失いKOされるなど、序盤から失点を重ねる重苦しいムードが漂ったが、ここからの新井采配がさえた。
2点を追う4回一死満塁の場面だ。新井監督は試合中盤ながら代打の切り札・松山竜平外野手(37)のカードを切ってきた。16年目のベテランはカウント1―1からの直球を強振。左中間フェンスを直撃する走者一掃の逆転適時二塁打となった。これで西純をKO。松山はプロ通算501打点とし、チームも逆転勝ちで同一カード3連戦3連敗を免れた。
この時点でチームは16試合を消化して松山は5打席目(5打数3安打)だった。試合以前に松山から話を聞くと「今シーズンまだ4打席ですよ」と不敵な笑みを浮かべていた。少ない出番に不満を抱いているのかと思いきや「チームの雰囲気はいいですよ」と真逆の言葉が返ってきた。
「新井さんが帰ってきて3連覇した時代のカープ…あの頃と雰囲気が似てますね。ベテラン、若手とチームが一つになっている感覚が同じ。この前(15日、マツダでのヤクルト戦)の秋山のサヨナラホームラン見てました? 監督が輪の中心に入って喜んでる。そんな監督いてます? ほんと、あの頃と新井さんは変わらない。それがいい雰囲気につながってる」。
時代が変わり、現在は松山がチーム最年長となった。かつて新井が担った役割を、松山は求められているはずだ。出番は少なくとも、新井監督と松山の間では起用に関しての意思疎通は取れているという。
勝負所で経験を生かすべく、松山は意気に感じて準備をしている。若手の起用でチームとしての形をつくり、要所でベテランがサポートする形にも納得している。シーズン前の評論家各位の予想では下位が目立ったが、今季のカープは侮れない。













