【赤ペン! 赤坂英一】広島・野間峻祥外野手は今年こそ、新井貴浩監督(46)の下で大化けできるか。そう期待させたのが、14日の楽天戦(マツダ)の〝大活躍〟である。

 9回表に3―3の同点に追いつかれた直後の裏だった。上本の中前打、菊池の犠打で一死二塁になると、野間が守護神・松井裕からヒットでサヨナラ勝ち。それも打球が一塁ベースで跳ねるラッキーな当たりだった。

 試合後、野間で勝負をかけた新井監督は「最後は野間さんらしいヒットでしたね」とニンマリ。その野間、サヨナラの前の打席では7回無死一、二塁から2球連続でバント失敗。3球目で3点目をたたき出す適時打を打った。それがまた、「野間らしさ」だと新井監督は強調している。

「失敗もあるけど、取り返すチャンスもあるのでね。野球はミスが起こるもの。でも次に取り返すチャンスもある。うまくいかなかったときの次が大切。試合中は前へ前へとやってほしいですね。反省するのは試合が終わってからでいいんで」

 新井監督は前日13日、野間が3フィートラインを越えたとしてアウトになると「違うでしょう」と猛抗議。野間の好走塁を無駄にしたくない、という思いも垣間見えた。

 そんな指揮官は「僕も(選手時代に)たくさんミスしましたからね」とポロリ。確かに、アウトカウントを間違えたり、平凡な打球を捕り損ねたりと〝チョンボ伝説〟は数多い。が、新井監督はそのたびにバットでミスを取り返してきたのだ。

 だから野間がかわいいのか、新井監督はキャンプ中から〝野間イジリ〟を繰り返していた。日南ではフリー打撃中に選手への期待を語るアナウンスをして、最後に「MCは野間でした」。練習後にその意図を聞かれても「あ、アレは野間だから。そう言ってたでしょ」とオトボケを決め込んだ。

 沖縄で野間が紅白戦や練習試合を欠場し、腹痛のためと発表されると、新井監督自ら「下痢です。しっかり治してほしい」と明かしている。そんな野間に、どことなく自分と似ているところがあると感じているのでは、と新井監督に聞いてみた。

「うーん、どうですかね。自分と似てるかどうかはわかりませんが、野間はムードメーカーですからね。チームを明るくしていると同時に、チームを引っ張っていけるだけのものを持ってますから。これからもいろんな面で頑張ってほしいですね」

 今年30歳になり、FA権を行使せずに残留した野間。新井監督の期待に応えて真価を発揮するのはこれからだ。

☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。