米オレゴン大3年の西田陸浮(にしだ・りくう)内野手(22)がMLBドラフトでホワイトソックスから11巡目(全体329位)で指名された。指名に至るまでの背景はどうだったのか。本紙通信員・カルロス山崎氏の直撃に、当の西田本人が現在の胸中を明かした。

 米サマーリーグ最高峰のケープコッド・ベースボールリーグ(CCBL)でプレーしていた1年前、レンジャーズとガーディアンズなどが西田を熱心にスカウティングしていた。その後、2022年9月にオレゴン大に編入。ディビジョン1レベルでも持ち味であるスピードを発揮し、それがプロレベルであることが明らかになると、興味を示す球団が急増した。

 昨年はドラフトにかからなかったが、1年を経て指名を受けることになった西田は「うれしいです。でも、(ドラフト指名の)達成感は正直あまりないんです」という。

 西田はアリゾナでのPAC―12トーナメントに出場していた今年の5月26日「13球団くらいと連絡を取っています。たぶん(ドラフトに)かかると思います」と自信をのぞかせていた。

 しかし、ドラフト直前になると「このドラフトでかかるか分からない。かからなかったらもう1年大学でプレーします」。10巡目以内のドラフト2日目に指名される可能性もあったが「多分、(指名が進むにつれていくつかの球団が契約金を)セーブしないといけなくなったんだと思います」と事情を理解し、「(11巡目から始まる)3日目の一巡目で指名してもらいました」。

 6月にはエンゼルスの大谷翔平投手(29)も所属する代理人事務所のCAAスポーツと契約。オレゴン大では右翼手としてもプレーしたが、プロでは「自分の天職だと思う」と話す二塁手に専念したいそうで、今月中にもホワイトソックスとの契約書にサインするという。

 同大のプロフィルなどによると身長168センチ、体重68キロ。本人は「170はあるんやけどな」とこぼすが、「今年、チームメートで話題になっているのはヨシダなんですよ」という身長173センチのレッドソックス・吉田正尚外野手(29)の活躍も大きな励みになっており、「結果を出すだけです」と気持ちは誰よりも強い。

 実際、西田は今回、ドラフトで指名を受けた600人超の高校生、大学生の中で最も小さいが、大リーグの10球団以上が獲得に興味を示したのは、出塁に必要な優れたコンタクト能力、選球眼、2ストライクからのアプローチ、そして一歩目の速さや瞬発力にある。

 また、今季は打球速度105マイル以上を計測することもあり、スイングの評価も上々だ。また、西田の判断力、投手のクセを見抜く洞察力など、出塁後の能力や技術も高い評価を得ているが、ネット裏で視察したファン、スカウトなら誰でも実感する存在感の強さは一番の魅力だろう。

 そしてMLBで今季から導入された「投手のけん制は1打席で2回まで」という新ルールも西田のプロ入りに大きな追い風となったに違いない。