手負いの男が貫禄の一打を放った。腰の違和感でベンチスタートとなったソフトバンク・近藤健介外野手(29)が、15日のヤクルト戦(神宮)の5回に代打出場。適時打を放って打線に反攻スイッチを入れた。チームは延長10回の末、9―7で競り勝った。
この日の神宮は試合前から断続的に雨が降り続いていた。雨脚が強まりコールドゲームが頭をよぎる中、鷹ベンチが動いたのは2点を追う5回。無死一、二塁で先発投手の9番・板東の代打に近藤を送った。前日の守備で腰に違和感を覚え、今季初めてスタメンを外れていた。前日まで直近6試合で5発。打棒好調な男は右腕・サイスニードの2球目真っすぐを捉えると、一、二塁間を痛烈に破る右前適時打で反撃の一打を放った。チームは今宮の犠飛、牧原大の適時打で一時逆転に成功。ベンチの期待に応える見事な仕事ぶりで、その後の再逆転、延長勝ち越しにつながる一打だった。
近藤は「代打での出場で一振りに集中しました。ランナーを返すバッティングができてよかったです」とコメント。日本ハム時代から腰が古傷の近藤は、代打のみの出場で全試合出場をキープした。7年の長期大型契約でFA加入した1年目、主力としての責任感と使命感がある。目標に掲げていた〝皆勤賞〟は一つのモチベーションだ。「そこはずっと目指しているところ。今日は1打席になりましたけど、みんなで勝てたのでよかった」と声を弾ませた。大事を取って連続スタメン出場こそ途切れたが、気持ちを切り替え、慣れない代打でも存在感を示すあたりはさすがだった。
チームは開幕カード以来となる同一カード3連勝を飾った。試合前の声出しでは、近藤がゲンを担いで3日連続で登場。「連勝の間は(声出し担当が)続くみたいなんで。面白いことを言わないとブーイングがくるんで、毎日大変です」。この日は前夜の負傷をネタに「ふがいないことに、僕は昨日ケガをしてしまい、夜はベッドで過ごしました。でも、気持ちは六本木交差点を歩いていました」とぶち込み大爆笑を誘った。すっかりチームに溶け込み、盛り上げにも一役買っている。
まさに欠かせない戦力。藤本監督は16日の阪神戦(甲子園)の起用について「明日からいけるんじゃないですか」とスタメン復帰を示唆した。鷹の中心で、背番号3が輝いている。












