第5回WBCで世界一に輝いた侍ジャパンの次期監督は、誰になるのか。栗山英樹前監督(62)の後任候補としてはイチロー氏、松井秀喜氏、工藤公康氏、古田敦也氏、井口資仁氏、井端弘和氏らの名前が浮上している。そんな候補者たちのなかから、本紙専属評論家の伊原春樹氏が指摘した「監督の条件」とは――。
WBCでの侍ジャパン世界一は、日本野球のすばらしさを日本国内外に強く印象づけてくれたと思う。日本のトッププレーヤーたちは世界で十分通用するだけの力があるんだ。日本の野球人たちも大きな自信になったと思うし、次回WBCでもいい結果を期待できるはずだ。
では、そんなチームを率いる監督は誰がいいのか。はっきり言ってしまえば、名前の出ている候補たちだったら「誰でもいい」というのが率直な感想だ。イチローに監督経験がないといっても、メジャーであれだけの実績があって、現役引退後も日本の高校生を熱心に指導したりと一生懸命勉強している。何の文句もありませんよ。
それに最高の選手が揃っているわけですから、監督の仕事なんていうのは、采配を間違えないようにするだけでいい。最近は選手の機嫌を取って、おだてていい気分でプレーさせる監督が「名監督」と言われたりしている風潮があるようですが、日本代表の選手がその日の機嫌で左右されるような精神じゃあ、そもそもダメでしょう。そういう意味では野球をよく知っていて、より厳しさのある監督のほうがいいのではないかと思います。
そういう視点で見ると、現時点の候補者のなかでは井端を推したい。彼は野球に対する考え方もしっかりしているし、妥協を許さないところがある。栗山監督よりも全然厳しい監督になるだろう。前任者と同じやり方を踏襲しようとするよりも、逆のほうがいい結果が出るのではとも思うし、井端ならダメなものはダメ、チームの課題をきっちりつぶし、相手チームの対策も徹底してやるタイプの監督になれる。彼なら采配を間違えることもないでしょう。
今の日本球界は以前とは違い、投手、野手ともにパワー勝負でも米国に引けを取らない選手が続々と出てきているし、短期決戦での戦い方は日本に圧倒的な分があると思っている。メジャーのタイブレーク、無死二塁でただ打つだけの攻撃を見ていると、その思いをさらに強くしている。
指導者、選手ともに「野球を知っている」という日本のアドバンテージを生かし、今回よりもさらにいいチームを…と思っています。
☆いばた・ひろかず 1975年5月12日生まれ。48歳。神奈川県出身。堀越高―亜大。97年のドラフト会議で中日から5位指名を受けプロ入り。2001年から「2番・遊撃」としてレギュラーに定着し、02年にベストナイン。荒木雅博との二遊間は「アライバコンビ」と呼ばれた。04年から6年連続でゴールデン・グラブ賞。13年の第3回WBC日本代表。台湾戦の9回二死から同点打を放った。14年から巨人に移籍し、15年オフに現役を引退した。実働17年で1896試合、1912安打、56本塁打、510打点、149盗塁。引退後は16年から巨人一軍内野守備走塁コーチ、17年から日本代表の内野守備走塁コーチとなり、19年のプレミア12、21年の東京五輪にもコーチとして出場。22年にU12野球日本代表監督に就任した。代表監督就任となれば小久保裕紀の42歳、稲葉篤紀の44歳に次ぐ、40代の指揮官となる。












