第5回WBCで侍ジャパンを3大会ぶりの世界一に導いた栗山英樹監督(62)が、契約期間満了となる今月限りで退任することが正式に決まった。近日中に退任会見が行われる。今後の注目は後任監督となるが、候補の一人として松井秀喜氏(48=ヤンキースGM特別アドバイザー)の名前が浮上していることも分かった。なぜ、松井氏なのか。その背景とは――。
世界一に輝いた直後に「今日で監督終わるので、明日からは何も肩書のない人になるので」と示唆していた栗山監督の退任が、正式決定した。
大谷、ダルビッシュといったかつての教え子たちを率いて大役を果たした指揮官には、球界内部からも「次回WBCも栗山監督で」と続投を望む声が噴出していたが、新たな指揮官へとバトンを託すことになった。
3年後の2026年WBCでは「連覇」が期待されることになる。「これ以上ない結果を出した栗山監督の後では、誰もやりたがらないのでは」というムードもある中、誰がその重責を引き受けるのか。そんな次期監督の有力候補として、イチロー氏(49=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)とともに待望論が高まっているのが松井氏だという。
だが、この期に及んでなぜ、松井氏が候補に浮上するのか。松井氏は第1回大会(06年)、第2回大会(09年)と2度、WBCに出場する可能性があったが、出場意欲を見せながら手術明けでヤンキースの許可が出ずに辞退となった第2回大会は仕方がないにせよ、第1回大会の辞退では大きなバッシングを浴びている。
松井氏は第2回大会での辞退後に「WBCには縁がなかったと思うしかない」と語っており、当時はWBCの話題を避けていたほど。それだけに「今回、次期監督のオファーがあったとしても、受けないのでは」との見方が強い。
それでも候補となる理由は何か。「読売事業部の強い意向もあるのではないか。王さんに続く国民栄誉賞監督というのも話題となりそうですし、侍ジャパンの監督を経験した上で、ゆくゆくは巨人の監督にという思いもあるのでしょう」(球界関係者)。確かにWBC主催サイドの読売事業部には、巨人OBである松井氏を推す声は根強くある。歴代の侍コーチ陣にも巨人OBが入閣している。巨人の監督候補として期待されながらも、なかなか巨人のユニホームを着ようとしない松井氏に「ならば日本代表のユニホームを」というわけだ。
とはいえ、松井氏がオファーを受ける可能性がゼロかといえば…。日本代表のスケジュール的にも拘束される時間は限定的で、巨人の監督に就任するよりも可能性はあるだろう。
果たして松井氏は、選手としては出場がかなわなかったWBCで、頂点をつかむことができるのか。松井氏の周囲では「そろそろ育ててもらった球界への恩返しを」という声もあるだけに、今後の交渉の行方が注目されている。
【ほかにも大物候補続々…】
栗山監督の後任候補としては松井氏、イチロー氏のほかには工藤公康氏、古田敦也氏、高橋由伸氏、井口資仁氏らの名前も浮上している。
本紙評論家の得津高宏氏は「本当ならば栗山監督の続投が一番理想的だったのですが…。退任が決まったのなら仕方がない。日本の国民感情としてはイチロー、松井のどちらかにやってもらうのがいいのでは。私もこの2人ならどちらでもいいと思います」。
松井氏については「監督経験がないとか、今の日本の野球をよく知らないのではという意見もあると思いますが、人間性もいいですし、選手選考など日本の野球事情のことはほかのコーチに任せればいい。そのぶん、メジャーの情報に強いというのはWBCでは大きなメリットだと思います」とした。
では、この2人に断られた場合はどうするのか。「WBCでヘッドコーチを務めた白井がやるのがいいのでは。ジャニーズの再建にも力を貸すようですし、栗山監督の野球を引き継いでほしい」と、ジャニーズ事務所の社外取締役に就任することになった白井一幸氏を推した。













