あまりにも厳しい言葉が並んだ。巨人の大久保博元打撃チーフコーチ(65)が1―5で敗れた9日のソフトバンク戦(ペイペイ)後、自らの指導力不足を断罪した。

 敗因を初回に見出した。大久保コーチが「(原因は)もう初回ですよ」と断言したこの日最初の攻撃。坂本、梶谷と2者連続安打で無死一、二塁のチャンスをいきなり作ったものの、続く3番・秋広が犠打を2度試みながら失敗。2ストライクと追い込まれてからヒッティングに切り替えて相手先発・和田に臨んだが、最後は併殺という最悪の結果に終わった。

 結局初回は無得点と、スタートダッシュに失敗した巨人。そのまま5安打1得点と打線はいいところを見せられないまま敗戦を喫した。

 これには大久保コーチも「完全に俺の指導力不足。俺の中では彼(秋広)なんて3年目で、まだ赤ちゃんと一緒だから。テーブルのジュースこぼして親が怒るかと言ったら怒らないんですよ。その状態で見てるから」と、若き成長株を擁護しながらも「やっぱり、あのバント(練習)を毎日真剣にやらないと『またやる(失敗する)ぞ』て。俺たちは団体競技だから、個人である俺たちが死ぬのはいいけど、チームを殺すプレーはしちゃだめなんだと。やっぱり人間は親が死んでも生きていけるということは忘れる動物だから。どうしてもその失敗が薄れるということにおいては、日々言い続けても本人の痛みがなくなってくるというところ」と、秋広のバントに対する意識の薄さを嘆いた。

 それも全ては自らの指導に起因するもの。「指導力不足を滅茶苦茶感じた試合。今までの、大したキャリアではないけど、野球界の(経験の)中で一番それを感じた1日でしたよ。泣きそうになってましたよ。あいつに伝えられてない、伝わってないという。完全に俺で負けた試合です。重罪人ですよ、戦犯です」と自身に厳しい言葉を並べた。

 秋広本人も「打つだけではだめだと思うので。前回のオリックス戦で(坂本)勇人さんを見て思いました。一流のプレーヤーはバントとかもしっかりできるというのは頭にある。今のところアレなので、試合で成功できるようにしっかり練習してやりたいと思います」と猛省。原監督も「秋広は本塁打も安打も犠打も今はまだやらなきゃいけませんね」と成長を促した。

 ワンプレーが勝敗を左右する――。指導者側にとっても、プレーヤー側にとっても、力不足を痛感させられる一夜となったようだ。