「鈍感力」がエッセンスになるか。勝率5割ラインを行ったり来たりしている巨人は5日現在、借金1のリーグ4位。9・5ゲーム差と引き離された首位・阪神を猛追するためにも上昇気流をつかみたいところで、逆襲のキーマンに期待されているのが正捕手・大城卓三(30)だ。その意外なワケとは――。
まさに五分五分の状態だ。巨人は先月30日から始まった交流戦で2カードを終えて3勝3敗とイーブン。一時期のどん底こそ抜け出したものの、なかなか浮上のきっかけをつかめていない。そんな現状に原監督は「凡打しても自分の打撃を生き生きと、ノビノビと(してほしい)。まだ背中を丸めた状態で野球をやっている、打席に入っている人がちょっと目立つ」と苦々しい思いをしている。
投手陣の台所事情も厳しい。新加入ながら4勝を挙げ、チームトップの防御率2・52と安定した投球を見せていたグリフィンが3日の日本ハム戦で右腕を負傷し、5日に出場選手登録を抹消された。4日の同カードに先発して3回5失点でKOされた育成1位ルーキーの松井も二軍落ちした。
そんなチームの苦境において、浮上のカギを握る人物として正捕手・大城卓の名前が挙がっている。扇の要として今季は51試合(先発マスクは50試合)に出場し、打撃でも規定打席到達者ではチーム2位の打率2割6分7厘、いずれも同4位の7本塁打、19打点と存在感を発揮してきた。そんな活躍ぶりをチーム関係者はこう評価する。
「大城は連敗しているときでも好調な時でも、自分自身の調子に全く影響しない(笑い)。中継ぎ陣が絶不調で若手投手たちがオドオドしていた時も、受ける大城だけはあっけらかんとしているもんだから『卓三さんはどんな時も本当に変わらない』『少し気持ちが楽になります』なんて声も出ていましたよ。今後もいろいろな意味で、カギを握る男であることは間違いないですね(笑い)」
もとより沖縄出身である大城卓の「ウチナータイム」はチーム内でも知られたものだが、若手主体の投手陣にとってはこの「鈍感力」が意外な効果を発揮している様子。実際、5月9日のDeNA戦(新潟)以降は5番を打つ機会も増えて重責を担うようになったが、抜てき初日に2ランを含む4安打と大暴れ。他の野手が苦しむ中でも結果を出し「6、7、8番も打っていますけど、自分の中では打順を意識したことはあんまりないですね」とケロリとしていたこともあった。
いい意味で、どんな状況でもマイペース。苦境を救うのは、そんな選手なのかもしれない。












