逆転CSへ、また一歩前進だ。既に2年連続のV逸が決定している巨人だが、21日のDeNA戦(横浜)を2―1で制して3連勝。主戦捕手として奮闘を続ける大城卓三捕手(29)は、打撃面でキャリアハイの成績を更新中だ。待望の「打てる捕手」へ進化を続けているが、巨人ならではの理由から球団内の評価が分かれているという。

 シビれる1点リードの9回を締めたのは、またもこの男だった。ドラ1守護神・大勢は自身初の3連投もどこ吹く風。ピシャリと3人で抑え、新人最多セーブ記録「37」に王手をかけた。

 大勢の起用も含め、原監督は執念の采配を連発。結果的に得点にはつながらなかったが、2―1の6回無死一、二塁の好機で絶好調の4番・中田に犠打のサインを送り、チャンスを広げた。試合後の指揮官は「3点目(を取る)ということが非常に重要と考えました。俺は最善策と思った」と白熱の攻防の舞台裏を明かした。僅差でAクラス争いを展開する阪神、広島とも試合を消化。巨人は3位の座をさらに引き寄せた。

 残り6試合となった今季、春季キャンプから「横一線」での競争を求められたのが捕手陣だ。その中でレギュラーの座をつかんだ大城は特に打撃の成長が目覚ましく、出場109試合で打率2割6分4厘。打撃不振で6月に「ミニキャンプ」と称し、プロ5年目で初の二軍落ちも経験したが、13本塁打、43打点といずれも自己最多を更新している。捕手としては打撃は12球団でもトップクラス。昨年はシーズンを通したスタミナ不足を指摘した原監督も、先日は「キャッチャーで2割5分をキープできたのは大したもんよ。強くなった」と褒めちぎっていた。

「打てる捕手」として小林らライバルたちを実力で押しのけたわけだが、もう一段階上のレベルを求める声もある。「打つほうは申し分ない」としたチームスタッフは「守備面はもっと上を目指せるはず。『勝てる捕手』になってもらいたい」と厳しい注文を飛ばした。

 常勝を義務づけられた巨人にとって、2年連続でリーグ優勝を逃した現実は重い。大城はレギュラーとして年々成績も上げ、その地位も築きつつある。しかし、球団OBは「現役時代の阿部慎之助は打撃もすごかったが、チームを勝たせることができたからこそ最も評価された。チームが優勝できないとなかなか評価されないというのが、巨人の捕手の難しいところ」と指摘している。

 大城の存在感が年々増しているのは紛れもない事実。〝グラウンドの監督〟とも言われる扇の要を射止めた背番号24は、来季こそV奪回で「真の正捕手」になり上がれるか――。