今季2カード目の「伝統の一戦」で、かつての〝師〟に成長した姿を――と意気込んでいたのが阪神の木浪聖也(28)、中野拓夢(26)の二遊間コンビだ。
その理由は相手ベンチの巨人・川相昌弘総合コーチ(58)の存在。2021年の春季キャンプで臨時コーチとして薫陶を受け、キャンプ後も、守備力強化を目的に内野陣専用のLINEグループで年間を通じ、助言や激励をもらうなど、継続してコミュニケーションを築いた関係でもあった。木浪は「ちゃんと『恩返し』できるように頑張ります」と〝意識〟して遊撃の守備についたという。
現在、2人とも守備率10割の失策ゼロ。しっかり虎の内野を支えているが、元師匠から伝授された極意は、守りだけではない。攻撃面でも中野はリーグトップの7犠打、木浪は同2位の3犠打と、こちらも通算533犠打の世界記録保持者の川相コーチの〝エキス〟を継承したかのような働きぶり。「守り」と「犠打」について、当時の教えが今に生きている部分について、2人はこう述懐した。
「守備は基本の継続。いろいろなゴロ捕球のメニューを反復して、それがすごい体に染みついてきた。バントは一塁側、三塁側の方向に対する考え方。自分のなかでもしっくりきています。『転がすときのバットの角度が大事』と。あとは準備。サインが出て『あっ! バント』って考えるんじゃなく『サインが出たら、俺ならこうやる』っていうのを、打席の前から意識して入れるようになりました」(木浪)
「守備では『打球は常に前で裁きなさいと』と。それまで体の近くで裁こうとした打球で、ミスをしてしまうことがあった。イレギュラーとかではじいたときに、うまく(体と打球までの)幅を使えるようになったと思います。バントは『強くてもいいから、うまく両サイドに転がすことができれば、そこまで打球を殺す必要はない』と。それまで打球を殺そうとするあまり、バットの先で転がしてしまい、それを捕手に捕られて失敗するケースがあった。芯でもいいから一塁側、三塁側にやれれば、と考えられるようになってから、やりやすくなりました」(中野)
現在は〝倒すべき相手〟の一員でもある川相コーチ。そんな元師匠の顔をさらにしかめさせる躍動で、今後も〝感謝〟を伝えていくつもりだ。











