女子プロレス「スターダム」の〝アイコン〟岩谷麻優(30)が悲願のIWGP女子王座を初戴冠した。23日の横浜アリーナ大会で王者メルセデス・モネ(31)を破り、ベルトコレクターに新たな勲章が加わった。

 金色に輝くベルトを手渡された岩谷は、しばらく凝視した後に歓喜の表情を浮かべた。先に退場していたモネを再びリングに呼び込むと「本当にムカついたけど、岩谷麻優を本気にさせてくれてありがとう。あなたがこのベルトを大事にしてきたように、あなたの意思を継いで、もっともっと最高のベルトにするから」と呼びかける。するとモネは「アリガトウ」と日本語で応じ、2人は熱い抱擁を交わした。

 最後まで苦しい展開だった。トペ・スイシーダで先制したかに見えた岩谷だが、一筋縄ではいかない。それでもフロッグスプラッシュ、ムーンサルトを次々と決め、王者を追い込んだ。

 これで本気になった王者からモネメーカー(変型フェースバスター)を食らい、5回連続のフォールを狙われた。それでもゾンビのように立ち上がった岩谷はあきらめない。ツームストーンパイルドライバー、張り手、顔面蹴りを次々と繰り出し、この試合2回目の月面水爆弾を発射。最後は二段式ドラゴンスープレックスホールドで文句なしの3カウントを奪った。

 昨秋、IWGP女子王座の新設が発表されると、真っ先に興味を示した。スターダム管轄王座をすべて戴冠する唯一の「グランドスラム」達成者として、ベルトコレクターの血が騒いだ。保持していたSWA世界王座を返上して初代王者決定トーナメントに臨んだが、決勝でKAIRIに敗れ目標は果たせなかった。

 かつてスターダムの〝3人娘〟として活躍した紫雷イオ(現イヨ・スカイ)、宝城カイリ(KAIRI)は、世界最大のプロレス団体、米WWEの舞台に挑戦した。岩谷だけは「日本にいながら世界一になる」という信念のもとスターダムに残り、激動のリングでトップ戦線に残り続けた。

 サーシャ・バンクスのリングネームでWWEで活躍したスーパースターを破ったことで、目標に大きく近づいたのは事実。「これから岩谷麻優は日本だけじゃなく、世界にこのベルトを持っていきたい。世界に羽ばたいていきます。第3代IWGP女子王者、岩谷麻優から目を離さないでください」と自信の笑みを浮かべたアイコンが、いよいよ世界の舞台で戦う。