阪神・木浪聖也内野手(28)が、ここ11試合連続でスタメン出場し、打率3割8分2厘と好成績を維持している。

 輝きを取り戻せたのは「芯はぶれずに融通無碍」な岡田彰布監督(65)の起用法があったからこそ。新指揮官は就任直後からチームの慢性的な課題だった守備難を解消するため、昨季までの正遊撃手だった中野を二塁へコンバートし、22歳の新鋭・小幡を新たな遊撃レギュラーとして起用する考えを表明し「二遊間はシーズンを通して8割は固定起用する」と早々に明かしていた。

 だが、その一方で岡田監督は木浪の肩の強さに注目。秋季キャンプで「思ってたよりええな。新しい発見や」と高く評価し、小幡のライバル候補として扱うことを決めると、木浪はここから猛発奮。レギュラー再奪取の大チャンスへ向け徹底的な肉体改造に取り組み、春の実戦でも着実に結果を残して首脳陣へアピールした。

 開幕の遊撃のスタメンは小幡。それでも木浪は8日のヤクルト戦(甲子園)で今季初のスタメン機会を与えられると、そこからコンスタントに快音をマーク。岡田監督も「打っている以上は代えられへんやろ」と先発起用を継続している。

 すると「出塁率4割3分2厘の木浪が8番からチャンスメーク→9番・投手の犠打などで好機を拡大→得点圏打率4割5分5厘を誇る1番・近本の適時打で生還」というパターンがチームの重要な得点源として機能。入団5年目にしてドラフト同期の「キナチカ」コンビが躍動中だ。

 守備面でもここまで失策ゼロと堅守を披露し、中野とともに内野のセンターラインを引き締め〝守りの野球〟を体現している。

 一軍レベルの投手に対応できていないとみれば、ドラフト1位ルーキーの森下であろうと容赦なくファームへ送る。その一方で、チームの〝アレ〟実現へ不可欠なピースとして期待する佐藤輝は、打率が1割台まで落ち込んでも辛抱強く起用を続け、復調を待つ。

 状況をみて適切に選手を起用しながら、選手個々の守備位置だけはしっかりと固定。芯が通りつつ柔軟な岡田監督のタクトがあるからこそ、ナインたちも躍動できている。