阪神が14日に球団ホームページ(HP)を通じて「選手を誹謗中傷するようなヤジ」や「侮辱的な替え歌」について「絶対におやめいただきますようお願いいたします」と観戦するファンに呼びかけた。翌15日には中日も同様のお願いを球団HPに掲載。プロ野球観戦では〝醍醐味〟ともいえるヤジが規制される動きが出てきたことが、ファンの間でも話題となっている。今後はどうなるのか。過度なヤジが球団や選手への「カスハラ」(カスタマーハラスメント)になるとの指摘もあるが…。日本ハラスメント協会・代表理事の村嵜要氏(40)に聞いた。
プロ野球は今シーズンから声出し応援が解禁。そのタイミングでの球団側からの要望となった。SNSなどでの誹謗中傷が厳罰化されるなど時代は移り変わっているが、今後はその流れがヤジへも波及していくことになるのか。
具体的には「地獄におちろ!〇〇(球団名)」などのコールや、巨人の球団歌「闘魂こめて」の歌詞を、ネガティブに改変した替え歌を対戦相手のファンが大合唱することなどが問題視されていると見られるが…。
村嵜氏は「いくらお金を払ったファンだとしても、選手を侮辱する発言などは球団から提供されるサービスを超えています」としながらも、ただ「プロ野球は団体で観戦するケースが多く(その場の)悪ノリや雰囲気もあるのではと想像します。個人やお店のカスハラに比べ、より難しい問題」と話すなど、実際の対応は難しいとの見解を示した。
では球団側はどうすればいいのか。「一つの球団が対策するのはリスクがありそう。NPBで統一した対策を、12球団で足並みそろえて…。ファンの変化などを見ながら慎重に進めた方がいいと思います」。これまでの文化も大事にしながら、全球団で対策を講じる必要があると指摘した。
選手側も誹謗中傷への意識が変わっているとし「10年前、20年前と違って、ハラスメントに敏感で知識がある。侮辱の言葉には反応しやすくなってる世代じゃないか」と、時代の変化についても触れた。
もし過度なヤジがきっかけで選手のプレーなどに影響が出た場合については、NPBも一歩踏み込んだ対策を採らざるを得ない。「(球団側には)安全配慮の義務がある。顔認証のシステムなどができている時代。本当に危ない人は顔認証ではじかれる。『このファンがこの発言をした』と把握できる状態になるのが前提」と対策として、入場の際にチェックできるシステムを導入するなどが効果的だという。
これまでは「野球観戦にヤジはつきもの」という意識で球場に足を運んでいたファンも多く、中には小さい子供に聞かせられないようなヤジもあったことだろう。
最後に村嵜氏は「(過度なヤジは)自分が応援している球団にも迷惑をかけるし、まわりのお客さんにもよく思われない。リピートのいいお客さんが離れてしまう」とも付け加えた。野球観戦スタイルが大きく変わる時代が来ているのかもしれない。












