【グラゼニ球論・金村暁】20日の広島戦に先発した阪神・西純矢(21)は本来の姿とはほど遠く、4回途中6安打5失点KOと残念な結果となりました。直球は球速こそ150キロ台を計測しましたが本来の球威はなく、制球も甘くなりがち。前回の巨人戦は6回9安打ながら何とか最少失点で粘り、今季初勝利を飾りましたが、現在の状態では先発として長いイニングを投げることは、難しいように感じます。
要因は技術ではなく、むしろコンディション。2月のキャンプから目標とした「開幕ローテ入り」へむけ、飛ばしてきた〝疲れ〟が出ていると思われます。キャンプでの評論でも触れましたが、私が投手コーチだった昨季も登板を重ね蓄積疲労がたまると、投球フォームにその影響がモロに出る傾向がありました。
投球時の体重移動の際、股関節にしっかりと体重が乗らず、いわゆる〝上体投げ〟のような力まかせの形で腕を振るようになってしまう点。この日は、それが如実に出ていました。初回、制球がバラつき、まだ立ち上がりだったにもかかわらず、直球に打者のバットを押し込むだけの球威も感じられず。4回までに6人の打者から安打を喫した点からも、厳しい現状が伺えるかと思います。
もちろん「今後」については首脳陣の専権事項ですが、先発陣は青柳、西勇を筆頭に大竹、才木、村上に加え、昨季まで2年連続で先発で働いた実績のある伊藤将も復帰間近。現状、先発のコマ不足に悩むチーム事情ではありません。先々を考慮して一度、登板間隔を空けるなど、今後の起用法を見直すのも手かと思います。
昨季も夏前から一度、再調整の時間で心身ともにリフレッシュを図った後に一軍復帰。CSではロング救援のこなせる中継ぎとして、連投で複数回を投げるなど、ファーストステージ突破の立役者にもなりました。コンディションさえ整えば、さまざまな役割をこなせる一軍投手陣のなかでも貴重な〝ジョーカー〟にもなり得る存在。今後の盛り返しに期待します。
(本紙評論家)












