【米マサチューセッツ州ボストン17日(日本時間18日)発】エンゼルスの大谷翔平投手(28)は敵地でのレッドソックス戦に「2番・投手兼DH」で先発マウンドに上がった。降雨で1時間25分中断したため、2回を無安打1失点、3三振1四球で3勝目はならなかった。日米メディア、ファンが注目した吉田正尚外野手(29)との侍対決は1打席のみだったが、空振り三振を奪った。打者では5打数2安打だった。試合開始が遅れ、雨で中断など、ついてなかった1日だったが、しっかりチームの連敗ストップに貢献した。

 日米で大注目されていた吉田との侍ジャパン主軸対決がついに実現した。初回二死無走者、無安打で失点を喫した後に巡ってきた。初球、内角低めのスイーパー。手を出してこなかった。2球目、真ん中低めのスイーパーはファウル。3球目はカーブで誘ったが見送られて「ボール」。勝負球はこの日最速98・4マイル(約158キロ)の高め真っすぐだった。吉田の豪快なスイングはボールの下を通って空を切り、軍配は大谷に上がった。結果的にわずか1打席だけだったが中身は濃かった。

吉田(左)を空振り三振に打ち取った大谷
吉田(左)を空振り三振に打ち取った大谷

 昨年に続く二刀流の聖地での先発登板は不運の連続。「ボストン・マラソン」開催にともない現地時間の午前11時10分開始予定だったが、雨の影響で56分遅れでプレーボール。気温は10度を下回っていた。初回いきなり先頭打者にストレートの四球を与えると、その後2つの暴投が絡んで一死三塁のピンチを背負い、犠飛であっさり失点。初回に味方から4点の援護をもらった直後のマウンドで、無安打ながら得点を許した。

 2回のマウンドに上がる直前、土砂降りの雨に見舞われた。だが、審判団は試合続行を指示。大谷は9分、グラウンドに出て雨に打たれながら、グラウンドキーパーが土をまいて整備する様子を見守った。ユニホームはびしょ濡れで、ピッチコムが雨に濡れた影響か不具合を起こすトラブルにも見舞われた。それでも中飛、見逃し三振、空振り三振に斬った三者凡退は圧巻だった。

雨で高揚感!? 上半身裸で騒ぐファン
雨で高揚感!? 上半身裸で騒ぐファン

 不測の事態はまだ続く。3回、エンゼルスの攻撃中にまたしても雨脚が強まったため、1時間25分中断。中断中には球場内の音楽に合わせて中堅席付近の男性を中心に200人以上が上半身裸になって大騒ぎした。大谷は結局2回で降板となった。試合後「ここは投げやすい球場なので心待ちにしていた。いい球もあったけど、雨は仕方ない」とコメントするしかなかった。

 球団記録の10試合連続2失点以下と、デグロムにあと1試合に迫っていた先発で7戦連続5回以上投げて被安打3以下の記録も同時に止まった。

 マウンドだけではない。2回に右前打で出塁。防寒対策でジャンパーを羽織ったが、ジッパーが壊れたようで、結局脱いだ。6回一死一塁では初球の外角高めを見逃した直後に“珍事”が発生。捕手・マグワイアがマウンドのクロフォードに返球しようとしたボールが大谷のバットを直撃。「アッ!」と声を上げて驚いた。

 バットではチームの勝利に貢献。初回一死無走者はこのカードで苦しめられていた内角高めの真っすぐをライナーで中前へはじき返し一挙4得点の起点となった。2回無死一塁では外角低めのスライダーをバットの先で拾って痛烈なゴロで右前に運んで好機を拡大して5点目につなげた。

 異次元のパフォーマンスでボストンのファンにタメ息をつかせるまではいかなかったが、登板した試合でチームに勝ちをつけるという大黒柱の責任は果たした。