まだ春は遠いか…。日本ハムが16日の西武戦(エスコン)に2―6で敗れ連敗。開幕14試合目で早くも10敗目を喫する苦しい戦いを強いられている。

 この日は打線が初回から相手先発左腕・エンスの前に沈黙。降板する6回まで無安打無得点と精彩を欠いた。エンスが降板した7回にようやく押し出しで1点を奪ったものの、反撃はここまで。9回に万波が3号ソロを放つも、空砲に終わった。

 一方の投手陣も先発・上原が5回途中2失点で降板。1点ビハインドの8回には、この回からマウンドに上がった田中正が中村の犠飛で追加点を許し2点差に。9回も守護神・石川が二死満塁からまさかの連続暴投で計3失点。前日15日の1安打完封負けに続いて、悪夢の惨敗を余儀なくされた。

 これでチームは開幕5カードを終え、4カードで負け越し。早くも借金は「6」となり上位を狙うどころか昨季同様、最下位をひた走る展開になりつつある。

 さらにここにきて気になるのが新本拠地「エスコンフィールド」の観客動員だ。新球場のこけら落としとなった3月30日からの開幕カード(楽天戦)は連日3万人を超えるファンが来場。球場周辺は大混雑となり、交通アクセス問題が全国規模で注目されるほどの盛況ぶりだった。

 だが、今カードからは減少傾向に入り15日には観客数が早くも2万5000人割れ。16日は2万1725人にまで落ち込みスタンドには空席が目立った。

 このままなら2万人切りは時間の問題で、早急な改善が指摘されていた試合後の大混雑は皮肉にもチームの低迷に合わせ「自然解消」に向かうことになる。

 新庄剛志監督(51)は16日の敗戦後「(試合展開は)紙一枚(紙一重)ですけどね」と唇を噛みしめ「ここでっていう時に…惜しいんですよ」と渋い表情。それでも「これを乗り越えて行けるチームになってくると思う。ここから去年した8連勝(実際は7連勝)みたいな試合が続いてくれば乗ってくる。まだまだっすよ。(石川の2連続暴投を含め)初めて見ることばっかりで面白いでしょ」と最後は気持ちを切り替えていたが…。

 日本ハムの試行錯誤の戦いは続く。