これが「シン・オカモト」だ。巨人のキャプテン・岡本和真内野手(26)が12日の阪神戦(東京ドーム)で1点を追う8回、〝パーフェクト〟阻止の起死回生となる1号同点ソロを放った。侍ジャパンで世界一に貢献した主砲の新たな打撃スタイルに、首脳陣からは無限の可能性が提示された。
プロ未勝利の虎先発・村上の前にG打線は7回まで完全投球を許した。敵将・岡田監督がまだ84球だった村上に代打を送り、8回から2番手・石井がマウンドに立った。
奈良・智弁学園の2学年後輩・村上の前に三振、二邪飛と抑えられていた岡本和がウップンを晴らすように石井の初球148キロをフルスイング。打球は左中間スタンドに飛び込む1号同点ソロとなった。
虎の完全継投は阻止したものの、試合は延長10回、G救援陣が粘れず1―2で落とした。原監督は「まあ、やっぱりなかなか2点目がね。(チームで)2安打かな」と言葉少なだった。
それでも4番に今季初本塁打と初打点がついたのは借金3の5位と苦しむチームにとって好材料。WBC決勝・米国戦で本塁打を放った岡本和だが、シーズンでは開幕10試合目まで本塁打、打点は0。それでも3二塁打を含む15安打を放ち、打率3割9分5厘と高打率を誇っていた。
その岡本和について大久保打撃チーフコーチは「侍ジャパンで覚えてきた和真の今の打撃スタイルはチームにとってかなり大きい。相手投手にボディーブローみたいに効く。WBCの時と同じで追い込まれるまではフルスイング、追い込まれたらとにかく根性で塁に出る」とこの日で打率3割8分1厘、出塁率4割4分2厘の主砲に目を細めた。
さらに「打席の中で打撃を変えることができるというのはすごいですね。ホームランは体調がよくなれば今後も自然と出る。打率が上がることで3冠王を中田翔と一緒に争うことも夢じゃない」(同)と〝打倒・村上宗隆〟の可能性まで示唆した。
2018年に史上最年少で「3割(3割9厘)、30本塁打(33本)、100打点(同)」をマークした岡本和だが、5年連続30本塁打を放つ一方で、昨季の打率は2割5分2厘と年々、低下。岡本和も「調子の波をできるだけ小さくしたい」と打率安定をテーマにしてきた。
それが侍ジャパンで主に6番を務め「つなぎ」の打撃に徹したことで、新スタイルが確立された。大久保コーチは「できることをすべてやりきる。仕事としては最高の仕事をやってくれている」と称賛を惜しまなかった。
もちろん大谷翔平(エンゼルス)や吉田正尚(レッドソックス)が打点を稼いでくれた代表とは違い、巨人では岡本和がポイントゲッターにならなければチームの勝利もおぼつかない。上位浮上のため今後は長打と打率の両立が求められることになる。
岡本和は高校後輩の力投に「相変わらずコントロールが良かったです。ストレートも特徴があり、丁寧に投げていた印象です」と振り返ると、今季1号には「負けたら意味がないので、明日勝てるように頑張ります」と前を向いた。
「シン・オカモト」がどこまで数字を伸ばせるか楽しみになってきた。












